マルチエフェクターの基本用語
音作りドットコムの各記事では「① ギター:マルチエフェクター設定」「③ ベース:マルチエフェクター/ プロセッサー設定」の中で、パッチ・チェーン・ブロックという言葉を前提知識として使っています。 初めてマルチエフェクターに触る人向けに、まずこの3つの言葉を整理します。
ブロック(Block)とは
マルチエフェクター1台の中に入っている、コンプ・アンプモデル・ドライブ・ディレイ・リバーブと いった個々のエフェクトの単位のことです。単体のコンパクトエフェクターペダル1個分の機能が、 1つの「ブロック」として本体の中にまとめて入っている、とイメージすると分かりやすいです。 ブロックはオン/オフを個別に切り替えられ、パラメーター(GAIN・TREBLE・LEVELなど)も ブロックごとに設定します。
チェーン(Chain)とは
複数のブロックを、どの順番でどうつなぐかという信号の経路(ルーティング)のことです。 たとえばギターなら「コンプ → ドライブ → アンプモデル → ディレイ → リバーブ」のように、 音が通る順番を指します。同じブロックの組み合わせでも、順番が変わると音の出方が変わるため、 各記事では「チェーン図(コードブロックで)」として、実際につなぐ順番を明記しています。 ベースの記事でコンプをチェーンの先頭付近に置く書き方が多いのも、「歪みやアンプモデルに 入る前の時点で粒を揃えておきたい」という理由からチェーン上の位置が意味を持つ一例です。
パッチ(Patch)とは
チェーン全体(ブロックの組み合わせ・順番・各パラメーター)を1つの設定として保存した 「音色の引き出し」のことです。1台のマルチエフェクターには通常、複数のパッチを保存でき、 足元のスイッチやディスプレイでパッチ単位に瞬時に切り替えられます。各記事の「リズムパッチ/ リードパッチ」「通常パッチ/サビパッチ」という対比表は、この「切り替えの単位」を指しています。 1人で演奏する場合はセクションごとにパッチを踏み替え、2人ギター編成のバンドではリズム用・ リード用のパッチをそれぞれの奏者が同時に鳴らす、という運用の違いも、突き詰めると 「パッチという単位で音を保存・呼び出しできる」という同じ仕組みの上に成り立っています。
この記事群の読み方: 設定値より判断基準を優先する理由
各記事の設定セクションには「GAIN 35%」のような具体的な数値と、必ずセットで 太字の判断基準(「コードの音程が濁らない上限」等)を書いています。この構成には理由があります。
- 使用機材が読者によって違うため: 同じ「GAIN 35%」でも、機種やギター本体の 出力・弦のゲージ・アンプの個体差によって、実際に出る歪み量は変わります。数値をそのまま 真似ても、必ずしも記事と同じ音にはなりません。
- 判断基準は機材が違っても成立するため: 「コードの音程が濁らない上限まで上げる」 という基準は、機種が変わっても同じ耳の使い方で再現できます。数値は「その基準にたどり着くための 出発点(目安)」であり、判断基準こそが機材をまたいで使い回せる本質的な情報です。
- 実機検証前のドラフトであるため: 各記事の末尾に記載の通り、掲載している数値は 実機での検証を経る前の、定石に基づいた出発点です。数値を絶対視せず、判断基準に沿って 自分の耳で微調整することを前提にしています。
読み方としては、まず各記事の①〜④セクションで数値を出発点として設定し、太字の判断基準に 書かれた聴き方で自分の音を確認しながら、必要に応じて数値をずらしていく、という流れを おすすめします。エフェクターページのBPM電卓や、各記事末尾の 試聴シミュレーターも、感覚をつかむための補助として使えます。