DAOKO×米津玄師「打上花火」は、BPM96・キーG♭メジャーの楽曲です。2017年公開のアニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」主題歌として国内MV歴代トップクラスの再生回数を記録し、公式バンドスコアにもボーカル/コーラス2組/ピアノ/キーボード2台/エレキギター2本(半音下げ)/5弦エレキベース/ドラムの編成が明記される、実在のバンド演奏を前提とした定番曲です。この記事では、米津玄師の固定サポートメンバーであるギター(中島宏士)のマルチエフェクター設定とマーシャル単体設定、ベース(須藤優)の設定、そして曲を彩るシンセ/ピアノのフレーズを担うキーボード(宮川純)の設定を判断基準つきでまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(中島宏士): Aメロ・Bメロでミュート気味のカッティングを刻み、夏の夜の高揚感を静かに支える役割。歪みは軽めで、粒立ちの良さが理想です。
- リードギター(中島宏士): サビで開放的なコードストロークに切り替わる役割。ギター1本の編成なので、リズムとリードの切り替わりがゲイン量とディレイの深さの差ではっきり聴き分けられることが基準になります。
- ベース(須藤優): 8分主体で曲を軽やかに前へ進める役割。跳ねすぎず、それでいて沈まない軽やかな粒立ちが求められます。
- キーボード(宮川純): イントロ・サビで曲を象徴するアルペジオ的なフレーズを担う役割。伴奏に埋もれず、花火が広がるような独立した煌めきとして聴こえることが理想です。
- 軽やかさと開放感を両立させながら、ギター・ベース・キーボードそれぞれの音の輪郭を保つのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(軽め) → アンプモデル(クリーン〜クランチ)
→ ブースター(リードのみ) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 30〜35%(カッティングの粒が潰れない上限)/ TREBLE 55%(明るさを保つ範囲)/ MIDDLE 50%(削らない方針)/ BASS 35%(ベース・ピアノと被らない上限)/ LEVELは歌とキーボードの手前で止まる音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 20〜25%、TONE 55%、LEVEL 50%。ミュートカッティングの粒立ちが潰れず、軽やかさを保てる上限まで上げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは軽く+LEVELを+2〜3dB程度。サビの開放的なストロークが前に出すぎて歌を食わない範囲に収めるのが判断基準です
- ディレイブロック: BPM96から算出すると、8分 = 60000÷96 = 625.0ms、付点8分 = 625.0×1.5 = 937.5ms。Aメロ・Bメロのカッティングには軽く8分625.0msを添え、サビのストロークには付点8分937.5msで広がりを持たせます
- リバーブ方針: プレート系を浅めにMix 15%程度。夜空に広がる開放感が出ているかを耳で確認しながら、深すぎない範囲に留めるのが基準です
- パッチ対比表: 中島宏士の単独ギター編成のため、1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等)は下記パッチをセクションごとに切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ(Aメロ・Bメロ用) | リードパッチ(サビ用) |
|---|---|---|
| GAIN | 30% | 40% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/18% |
| リバーブMix | 12% | 18% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4(カッティングの粒が潰れない上限)/ TREBLE 6(明るさを活かす範囲)/ MIDDLE 5(削らない)/ BASS 4(ベース・ピアノと被らない上限)/ PRESENCE 5(耳に刺さらない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: Aメロ・Bメロはピッキングを軽めにしてミュートカッティングの軽やかさを出し、サビでは弾き込みを強めて開放的なストロークに切り替えるのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分937.5msの広がりを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビの抜け方が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは8分刻みの粒が軽やかに揃って聴こえる程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 40%(軽やかな8分刻みでも音が痩せない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 45%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギター・キーボードと被らない上限)/ TREBLE 30%(刺さらない範囲)/ LEVELはサビで少し音圧を足す音量が基準。DI+アンプの比率はDI6:アンプ4を起点に、軽やかなアタック感が残る範囲でアンプ側の色を混ぜるのが判断基準です
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFF。サビでほんの少し厚みを足したい時のみ軽くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ(Aメロ・Bメロ) | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | やや強め(粒立ち優先) | 軽め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 6:4 | 5:5 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4(軽やかな8分刻みで音が痩せない下限〜サビで暴れない上限)/ ULTRA LO 軽め(もたつかない範囲)/ ULTRA HI 軽め(硬くなりすぎない範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 曲を通して指弾きで軽やかな粒立ちを保ち、サビでピック寄りの弾き方に近づけると音圧差がはっきり作れます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、軽やかな8分刻みの粒を均す外部コンプペダルを1台足すと安定感が増します
⑤キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ: アナログシンセパッド系+エレピ系(Rhodes系)の組み合わせ。イントロ・サビで伴奏に埋もれず、花火が広がるような独立した煌めきとして聴こえるかが選定の判断基準です(公式バンドスコアにもキーボード2台分のパートが単独で収録されるほど独立性の高いフレーズです)。原曲のクレジットはキーボードという系統表記にとどまるため、特定の音源名を決め打ちせず、明るく軽やかな鍵盤系の音色を選ぶのが実践的です
- EQ方針: 300〜500Hz付近をギター・ベースと被らない範囲でわずかにカット、4〜6kHz付近は煌めきを活かす方向でわずかに持ち上げます。バンド全体で音の隙間があるかを耳で確認しながら削る/持ち上げるのが基準です
- 空間系: BPM96から8分625.0ms・付点8分937.5ms。イントロ・サビのフレーズには付点8分937.5msを薄くMixして開放感を足し、歌が主体のAメロ・Bメロではディレイを絞ってコード感と歌詞の聴き取りやすさを優先します
- セクションごとの運用: イントロはキーボードのフレーズを主役に音量を上げ、Aメロ・Bメロは歌の伴奏に回って音量を絞り、サビでは煌めきと音圧を足して花火が広がるような開放感を演出します
セクション別の組み立て
- イントロ: キーボード(宮川純)のフレーズを主役に、ギター(中島宏士)はリズムパッチで音量を抑えて軽やかな下地だけを作ります
- Aメロ: 歌の伴奏に回るためリズムギターは音量を絞り、ベース(須藤優)は指弾きで軽やかな8分刻みの粒立ちを整えます
- Bメロ: サビに向けディレイMixとリバーブを少しずつ深くし、ベースのコンプもやや軽めに移行して開放感の準備をします
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターと付点8分937.5msのディレイをONにし、ベースはサビパッチで音圧を上げ、キーボードも煌めきを足して花火が広がるような開放感を最大化します
- 間奏: リードギターとキーボードのフレーズを対等に鳴らし、互いの余白を潰さないよう音量バランスを耳で確認します
- ラスサビ〜アウトロ: 音量・エフェクトともにこの曲で最も開放的な設定を維持しつつ、軽やかさを最後まで保ったまま着地します
まとめ
- BPM96のディレイ基準値は8分625.0ms・付点8分937.5msです
- 中島宏士の単独ギター編成のため、宅録・弾いてみたではリズム/リードのパッチ切り替えでセクションごとの役割を表現します
- サビを象徴するキーボードの煌めきを軸に据え、軽やかさと開放感を両立させるのがこの曲最大の判断基準です
- キーボードは特定音源名を決め打ちせず、明るく軽やかな鍵盤系の音色を選ぶのが実践的です
- 次回は同アーティストの別の代表曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(96)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。