嵐「Turning Up」はBPM118、キーD♭のディスコファンク由来のグルーヴを持つダンスチューンです。ギターコード譜が複数サイトで公開され、コンサートでも実際に演奏されている定番のデジタルシングルで、宍倉聖悟・江渡大悟という実在の2人ギタリストを含むマウントブラストが生演奏を担当します。原曲は70〜80年代のディスコファンク的なリズム隊に、逆再生風の「ワウワウ」音を出す電子ピアノが特徴的なアレンジです。この記事では2本ギター+電子ピアノのバンドサウンドを再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロ・サビを通してファンク的な16分カッティングでグルーヴを支える役割。歪みは薄く、パーカッシブな粒立ちが理想です。
- リードギター: サビ・間奏でフレーズを彩る役割。歪みを増やすのではなく、ブーストで前に出す形で輪郭を保ちます。
- ベース: ディスコファンク由来のグルーヴを支える役割。ルートを軸にしつつ、リズム隊としてのノリを最優先します。
- キーボード: 逆再生のような「ワウワウ」音を出す電子ピアノが曲の顔になる役割です。伴奏に埋もれず独立したフレーズとして聴こえます。
- バンドで2人ギターがいる場合: マウントブラストの宍倉聖悟・江渡大悟という実在の2人ギター編成であり、ギター1は曲を通してリズム担当、ギター2は曲を通してリード担当という役割固定で2本を同時に鳴らします。
- 1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等): セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を1人で再現します。
- 歪みを溜め込まず、ファンクのパーカッシブな粒立ちとグルーヴを最優先に残すのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(やや強め) → ドライブ(薄め) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 20〜25%(カッティングの粒が潰れない上限)/ TREBLE 55〜60%(パーカッシブな輪郭を出す範囲)/ MIDDLE 50%(削らない方針)/ BASS 40%(ベース・電子ピアノと被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 10〜15%、TONE 55%、LEVEL 55%。歪みが乗ったと感じた時点でやり過ぎで、あくまでクリーンの延長線上でカッティングの輪郭を出すのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。歪み量を増やさず音量と輪郭だけを前に出すのが目的で、ゲインが上がったと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM118から算出すると、8分 = 60000÷118 ≒ 508ms、付点8分 = 508×1.5 ≒ 763ms。リズムは8分508msを薄くタップし、リードはサビ・間奏のフレーズで付点8分763msを軽く重ねて余韻を作ります
- リバーブ方針: ルーム系を薄めにMix 25%程度。ファンクのグルーヴを濁らせないよう、深すぎるホール系は避けます
- パッチ対比表: バンドで2人ギターがいる場合は、ギター1・ギター2がそれぞれ下記のパッチを曲を通して同時に鳴らし続けます。1人で両方を担当する場合は、この2パッチをセクションごとに切り替えて使ってください
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/宍倉用) | リードパッチ(ギター2/江渡用) |
|---|---|---|
| GAIN | 20% | 25% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/8% | 付点8分/18% |
| リバーブMix | 25% | 30% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 1〜2(カッティングの粒立ちが残る上限)/ TREBLE 6(パーカッシブな輪郭を出す範囲)/ MIDDLE 5(削らない)/ BASS 4(ベース・電子ピアノと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは手元をミュートしながら軽くカッティングし、サビ・間奏はやや強めに弾き込んでフレーズの輪郭を前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分763msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の余韻が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドはファンク的な弾力のあるグルーヴを潰さない程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギター・電子ピアノと被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(グルーヴ優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3〜4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: 基本は指弾きでファンクのグルーヴを出し、サビでピックに持ち替えて音圧を足す使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、グルーヴの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
⑤キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ: エレピ系(逆再生風の「ワウワウ」エフェクトを乗せたエレクトリックピアノ)。フレーズが伴奏に埋もれず単独で「Turning Up」だと分かるほど独立して聴こえるかが選定の判断基準です
- EQ方針: 250〜500Hz付近をギター・ベースと被らない範囲でわずかにカットし、ワウ由来の中高域の動きは残します。バンド全体で音の隙間があるかを耳で確認しながら削るのが基準です
- 空間系: BPM118から8分508ms・付点8分763ms。電子ピアノのフレーズには8分508msを薄くMixして輪郭を保ち、サビの伴奏部分はディレイを絞ってグルーヴ感を優先します
- セクションごとの運用: イントロ・間奏は電子ピアノのフレーズを主役に音量を上げ、Aメロ・Bメロは伴奏に回って音量を絞り、サビはギターと絡めてディスコファンクのグルーヴを強調します
セクション別の組み立て
- イントロ: キーボードの電子ピアノフレーズを主役に、ギターはリズムパッチのカッティングで土台を作ります
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムパッチのゲインを絞り、ベースはファンクのグルーヴを優先して安定させます
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、高揚感を作ります
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと付点8分763msのディレイを軽く重ね、ベースはサビパッチで音圧を上げ、キーボードも電子ピアノを前に出して曲の顔を強調します
- 間奏: リードギターのフレーズと電子ピアノを絡ませ、ドライ寄りのルームリバーブで余韻を残します
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残してグルーヴを保ったまま着地します
まとめ
- BPM118のディレイ基準値は8分508ms・付点8分763msです
- マウントブラストの宍倉聖悟・江渡大悟という実在2人ギター編成のため、バンドは2本同時運用、1人なら切り替え運用で対応します
- ディスコファンクのグルーヴと、逆再生風の電子ピアノを両立させるのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は同じ嵐の他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(118)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。