嵐「Troublemaker」はBPM139、キーBマイナーの疾走感あるパワーソングです。嵐の楽曲の中でも特にエネルギッシュな1曲として知られ、ギター弾いてみた動画(通常版・アコースティック版)やコード譜(U-FRET/ChordWiki/楽器.me)、ギター弾き語り曲集への収録など、演奏実例が非常に豊富に存在します。長年ツアーに帯同する実名の雇われバックバンド「マウントブラスト」が宍倉聖悟・江渡大悟という実在の2人ギタリストを含む編成で生演奏を行っています。この記事では2本ギターのバンドサウンドを再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロ・サビを通して16分のカッティングで疾走感を作る役割。歪みはやや強めでも、パーカッシブな粒立ちを失わないことが理想です。
- リードギター: サビ・間奏でフレーズを彩る役割。歪みを増やすのではなく、ブーストで前に出す形で輪郭を保ちます。
- ベース: ルートを軸に8分〜16分でしっかり刻み、疾走感のあるパワーソングのグルーヴを支える役割。粒立ちを保ちながらサビでわずかに前に出ます。
- バンドで2人ギターがいる場合: マウントブラストの宍倉聖悟・江渡大悟という実在の2人ギター編成であり、ギター1は曲を通してリズム担当、ギター2は曲を通してリード担当という役割固定で2本を同時に鳴らします。
- 1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等): セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を1人で再現します。
- 歪みを乗せつつも粒立ちを潰さず、疾走感のあるパワーソングの推進力を最優先に残すのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(やや強め) → アンプモデル(クランチ〜軽い歪み)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 35〜40%(カッティングの粒が潰れない上限)/ TREBLE 55〜60%(エッジを出しつつ耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 50%(削らない方針)/ BASS 40%(ベースと被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 25〜30%、TONE 55%、LEVEL 55%。コードの粒がひとつの塊に潰れて聴こえ始めたらやり過ぎで、あくまで各弦の輪郭が残る範囲に留めるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。歪み量を増やさず音量と輪郭だけを前に出すのが目的で、ゲインが上がったと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM139から算出すると、8分 = 60000÷139 ≒ 432ms、付点8分 = 432×1.5 ≒ 648ms。リズムは8分432msを薄くタップし、リードはサビ・間奏のフレーズで付点8分648msを軽く重ねて余韻を作ります
- リバーブ方針: ルーム系を薄めにMix 25%程度。疾走感を濁らせないよう、深すぎるホール系は避けます
- パッチ対比表: バンドで2人ギターがいる場合は、ギター1・ギター2がそれぞれ下記のパッチを曲を通して同時に鳴らし続けます。1人で両方を担当する場合は、この2パッチをセクションごとに切り替えて使ってください
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/宍倉用) | リードパッチ(ギター2/江渡用) |
|---|---|---|
| GAIN | 37% | 42% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/8% | 付点8分/18% |
| リバーブMix | 25% | 30% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4〜5(カッティングの粒立ちが残る上限)/ TREBLE 6(エッジを出す範囲)/ MIDDLE 5(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは手元をやや絞ってタイトなカッティングにし、サビ・間奏は強めに弾き込んでフレーズの輪郭を前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分648msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の余韻が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは疾走感のある8分〜16分の粒が揃う程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3〜4(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3〜4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: 基本は指弾きで疾走感を出し、サビでピックに持ち替えて音圧とアタックを足す使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、疾走感のある粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギターの16分カッティングで疾走感を提示し、ベースは8分で安定して土台を作ります
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムパッチのゲインをやや絞り、ベースはルートを軸に推進力を支えます
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、高揚感を作ります
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと付点8分648msのディレイを軽く重ね、ベースはサビパッチで音圧を上げてパワーソングらしい疾走感を強調します
- 間奏: リードギターのフレーズをルーム系リバーブで軽く広げ、推進力を保ったまま余韻を残します
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残して疾走感を保ったまま着地します
まとめ
- BPM139のディレイ基準値は8分432ms・付点8分648msです
- マウントブラストの宍倉聖悟・江渡大悟という実在2人ギター編成のため、バンドは2本同時運用、1人なら切り替え運用で対応します
- 歪みを乗せつつも粒立ちを潰さないことが、この疾走感あるパワーソング最大の判断基準です
- 次回は同じ嵐の他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(139)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。