L'Arc-en-Ciel「STAY AWAY」は、BPM160・キーBマイナーの楽曲です。2000年7月19日発売のシングルで、Space Shower Music Video Awards 2000にて「Best Video of the Year」を受賞した代表曲の一つでもあります。バンドスコアが複数出版社から現行販売されているほか、ライブでの定番曲としての演奏実績やベース弾いてみた動画も実在し、実際にギター・ベースを伴うバンド編成で演奏される曲であることが確認できます。この記事では、ギター(ken)のマルチエフェクター設定とマーシャル単体設定、ベース(tetsuya)のマルチエフェクター設定とアンプ(DI)単体設定を、判断基準つきでまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(ken): イントロ・Aメロ・Bメロで曲全体に漂う陰影と緊張感を作るコード主体の役割。Bマイナーの翳りを保ちながら、抑えた音量で不穏な空気を維持するのが理想です。
- リードギター(ken): サビ・間奏で曲を象徴する印象的なフレーズを前に出す役割。ギター1本の編成なので、抑制から開放への切り替わりがはっきり聴こえる音量差・音色差が基準になります。
- ベース(tetsuya): Bマイナーの重心を支えながら、Aメロの静けさからサビの爆発力までダイナミクスを牽引する役割。走らず粘りのある低音が求められます。
- あえて陰影を残したBマイナーの世界観を尊重し、ミドルを削らず薄い歪みで曲の翳りと爆発力を両立させることが音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め〜中程度) → アンプモデル(クランチ)
→ ブースター(リードのみ) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 40〜45%(Aメロの陰影を保ちながらサビで飽和しない上限)/ TREBLE 50%(輪郭を保つ範囲)/ MIDDLE 55%(削らない方針、Bマイナーのコード感を保つ)/ BASS 35%(ベースと被らない上限)/ LEVELはボーカルの手前で止まる音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 25〜30%、TONE 50%、LEVEL 45%。Aメロの静けさを保ちながら、サビで音圧が破綻しない上限まで上げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは軽く+LEVELを+3〜4dB程度。サビ・間奏の印象的なフレーズが伴奏に埋もれず、曲の顔として前に出て聴こえる範囲に収めるのが判断基準です
- ディレイブロック: BPM160から算出すると、8分 = 60000÷160 = 375ms、付点8分 = 375×1.5 = 562.5ms。サビ・間奏のリードは付点8分562.5msで広がりを作り、Aメロ・Bメロの陰影を作る場面では8分375msを薄くかけます
- リバーブ方針: ホール系をやや深めにMix 20%程度。Bマイナーの翳りが霧散せず、輪郭が残っているかを耳で確認するのが基準です
- パッチ対比表: kenの単独ギター編成のため、1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等)は下記パッチをセクションごとに切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ(イントロ・Aメロ・Bメロ用) | リードパッチ(サビ・間奏用) |
|---|---|---|
| GAIN | 40% | 45% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/20% |
| リバーブMix | 15% | 25% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4(Aメロの静けさを保つ下限〜サビで飽和しない上限)/ TREBLE 5(輪郭を保つ範囲)/ MIDDLE 6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 5(耳当たりが刺さりすぎない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: 単独ギター編成のため、イントロ・Aメロ・Bメロは弱めのピッキングで陰影を保ち、サビ・間奏にかけて強めに弾き込んで開放感を出す、というピッキングの強弱でリズム/リードの役割を切り替えるのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分562.5msの広がりを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏のリードフレーズの抜けが大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドはAメロの静けさとサビの音圧差が均一に聴こえる程度、レシオ4:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 45%(サビでも音が暴れない上限)/ BASS 55%/ LOW-MID 50%(Bマイナーの重心を保つ方針)/ HIGH-MID 40%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 30%(刺さらない範囲)/ LEVELはサビで音圧を一段上げる音量が基準。DI+アンプの比率はDI6:アンプ4を起点に、指弾き・ピック弾きどちらでもアタック感が残る範囲でアンプ側の色を混ぜるのが判断基準です
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビで厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ(イントロ・Aメロ・Bメロ) | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | やや強め(粒立ち優先) | 軽め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 6:4 | 5:5 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +2〜3dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4〜5(Aメロで音が痩せない下限〜サビで暴れない上限)/ ULTRA LO 軽め(もたつかない範囲)/ ULTRA HI 軽め(硬くなりすぎない範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: イントロ・Aメロは指弾きで陰影と粘りを保ちながら静かに刻み、サビでピック弾き寄りの明瞭なアタックに切り替えると、曲の爆発力がはっきり強調できます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、Aメロ〜サビの強弱差を均す外部コンプペダルを1台足すと音の安定感が増します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギター(ken)がコード主体で不穏な陰影を提示し、ベース(tetsuya)は指弾き寄りの粘りある低音で静かに土台を作ります
- Aメロ: ギターのゲインを抑えめにし、ベースのコンプはやや強めにして粒立ちを揃え、Bマイナーの翳りを損なわない音量に収めます
- Bメロ: サビに向けてギターのディレイ・リバーブを少しずつ深くし、ベースのコンプも軽めに移行して音圧の上昇を準備します
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターと付点8分562.5msのディレイをONにし、ベースはサビパッチで音圧を上げて爆発力を最大化します
- 間奏: kenがブースターとディレイを保ったまま印象的なフレーズで前に抜け、ベースは通常パッチに戻して隙間を作ります
- ラスサビ〜アウトロ: 音量・エフェクトともにこの曲で最も深い設定を維持しつつ、Bマイナーの陰影を最後まで保ちます
まとめ
- BPM160のディレイ基準値は8分375ms・付点8分562.5msです。サビ・間奏のリードには付点8分を、Aメロ・Bメロの陰影作りには8分を薄くかけるのがコツです
- kenの単独ギター編成のため、宅録・弾いてみたではリズム/リードのパッチ切り替えでセクションごとの役割を表現します
- ベースは通常パッチとサビパッチでコンプ量とDI:アンプ比率を切り替え、Bマイナーの重心を保ったまま音圧の上下を両立させます
- Best Video of the Year受賞歴が示す通り映像的なスケール感を持つ曲なので、ミドルを削らず薄い歪みで陰影と爆発力の両立を意識するのが最大の判断基準です
- 次回は同アーティストの別の代表曲(READY STEADY GOなど)の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(160)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。