マカロニえんぴつ「静かな海」はBPM70、キーB(コード譜上はGシェイプ・カポ4)のミニマルなミドルバラードです。バンド結成10周年の節目に発表された曲で、これまでの楽曲と比べても削ぎ落とされたアレンジが特徴。ドラム・ベースそれぞれの「叩いてみた」動画が実在するほどバンド編成での演奏実例があり、はっとり(Vo/Gt)・田辺由明(Gt/Cho)の実在2人ギター編成と高野賢也(Ba/Cho)を含むこの記事では、アコースティックギターのアルペジオが海面のきらめきを表現する原曲の質感を、マルチエフェクター/マーシャルそれぞれで再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(はっとり): Aメロ・Bメロを通してアルペジオで曲を支える役割。歪みはほぼ無く、アコースティックの粒立ちに近い透明感が理想です。
- リードギター(田辺): サビ・間奏でフレーズを彩り、輪郭を持たせる役割。歪みを足すのではなく、ブーストで前に出す形を保ちます。
- ベース: 波のように周期的に動くラインで曲全体を支える役割。スローテンポなのでもたつかない粒立ちが特に重要です。
- バンドで2人ギターがいる場合: はっとり・田辺由明という実在の2人ギター編成であり、ギター1は曲を通してリズム担当、ギター2は曲を通してリード担当という役割固定で2本を同時に鳴らします。
- 1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等): セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を1人で再現します。
- 歪みをほぼ使わず、アコースティックの透明感と静けさを最優先に残すのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(基本OFF) → アンプモデル(クリーン)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 15〜20%(アルペジオの一音一音が濁らない上限)/ TREBLE 55%(耳に刺さらない範囲でエッジを残す)/ MIDDLE 55%(削らない方針)/ BASS 40%(ベースと被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック(基本OFF): 使う場合もTS系をごく薄く、GAIN 5〜10%程度に留めます。「歪んでいる」と感じた時点でやり過ぎで、あくまでクリーンの延長線上に留めるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+2〜3dB程度。フレーズの輪郭だけを前に出し、歪み感が変わったらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM70から算出すると、8分 = 60000÷70 ≒ 857ms、付点8分 = 60000÷70×1.5 ≒ 1286ms。スローテンポでタップ音が目立ちやすいため、単独のリピートが耳につかない上限までMixとフィードバックを絞るのが判断基準です。リズムは8分857msを薄くタップし、リードは付点8分1286msでフレーズに余韻を出します
- リバーブ方針: ルーム〜ホール系を薄めにMix 20%程度。リード時のみ30%前後まで上げ、海の静けさを思わせる奥行きを足します
- パッチ対比表: バンドで2人ギターがいる場合は、ギター1・ギター2がそれぞれ下記のパッチを曲を通して同時に鳴らし続けます。1人で両方を担当する場合は、この2パッチをセクションごとに切り替えて使ってください
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/はっとり用) | リードパッチ(ギター2/田辺用) |
|---|---|---|
| GAIN | 15% | 20% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/8% | 付点8分/18% |
| リバーブMix | 20% | 30% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 1〜2(クリーンの粒立ちを残す上限)/ TREBLE 5〜6(刺さらない範囲でエッジを残す)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 3〜4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは手元を絞ってごく軽いタッチでアルペジオを弾き、サビ・間奏のみやや強めに弾き込んでフレーズの輪郭を出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分1286msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の余韻の質が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは指弾きの波のような強弱の変化を殺しすぎない程度、レシオ2.5:1〜3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さず、うねりのニュアンスを残す上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 30%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 35%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 30%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ極薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(うねり優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | ごく薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 2〜3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: 基本は指弾きで波のようなうねりを出し、サビのみわずかに強く弾いて音圧を足す程度に留めます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、うねりのニュアンスを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: ギターのアルペジオを主役に、リズムパッチのみで静かに曲を始めます
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムパッチのゲインを絞り、ベースは波のようなうねりを優先して安定させます
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、静けさを保ったまま緊張感を作ります
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターと付点8分1286msのディレイを軽く重ね、ベースはサビパッチで音圧を上げますが、歪みは足さず透明感を保ちます
- 間奏: リードギターのフレーズを前に出し、ルーム〜ホール系リバーブで海の静けさを思わせる余韻を残します
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残して静かに着地します
まとめ
- BPM70のディレイ基準値は8分857ms・付点8分1286msです(スローテンポのためMix・フィードバックは控えめが基準)
- マカロニえんぴつは実在の2人ギター編成(はっとり・田辺由明)のため、バンドは2本同時運用、1人なら切り替え運用で対応します
- 「歪みをほぼ使わず、アコースティックの透明感と静けさを残す」のがこの曲の音作りの核心です
- 次回は同じマカロニえんぴつの他曲、または別アーティストの音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(70)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。