菅田将暉「さよならエレジー」はBPM155、キーD♭メジャー(平行調B♭マイナー)のロックバラードです。日本テレビ系日曜ドラマ「トドメの接吻(キス)」主題歌として2020年に発表され、石崎ひゅーいが作詞作曲を手掛けた代表曲の一つです。バンドスコア(TAB譜付き)がフェアリー・print-gakufu・Piascore等複数出版社から現行流通し、ギターコード譜もCapo1でCシェイプ運指のバージョンが公開されるなど、バンド編成での再現需要が高い曲です。菅田将暉は俳優が本業のソロ歌手でツアーごとにサポートメンバーの編成が変わるため、この記事では2024年アリーナツアー「SPIN」時点のギタリスト(西田修大)を基準に、バンドサウンドを再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロ・サビを通してエモーショナルなコードカッティングで曲の骨格を支える役割。歪みは薄く留め、切なさを邪魔しない温かみのある質感が理想です。
- リードギター: サビ・間奏でフレーズを彩る役割。歪みを増やすのではなく、ブーストで前に出す形で輪郭を保ちます。
- ベース: ルートを軸に落ち着いた刻みでロックバラードの土台を支える役割。粒立ちを保ちながらサビでわずかに前に出ます。
- 切なさとロックバラードとしての熱量の両立を最優先に、ギターは歪みを溜め込まずコードの分離感を保つのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 26%(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 48%(エッジを出しつつ耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 50%(削らない方針)/ BASS 38%(ベースと被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 14%、TONE 48%、LEVEL 48%。「歪んでいる」と感じるより「エッジがわずかに立っている」と感じる程度に留めるのが判断基準で、これを超えると切なさが濁ります
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。歪み量を増やさず音量と輪郭だけを前に出すのが目的で、ゲインが上がったと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM155から算出すると、8分 = 60000÷155 ≒ 387ms、付点8分 = 387×1.5 ≒ 581ms。テンポが速い曲のため、リズムはディレイを薄く抑えてカッティングの粒立ちを優先し、リードはサビ・間奏のフレーズで付点8分581msを軽く重ねて余韻を作ります
- リバーブ方針: ルーム系を薄めにMix 28%程度。エモーショナルな広がりを出しつつ、深すぎるホール系でテンポ感がぼやけないよう注意します
- パッチ対比表: ギター1本の編成のため、セクションごとに下記パッチを切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ(サビ・間奏で切替) |
|---|---|---|
| GAIN | 26% | 32% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/8% | 付点8分/18% |
| リバーブMix | 28% | 34% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 5(エッジを出す範囲)/ MIDDLE 5(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 3(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: Aメロ・Bメロは手元を軽く絞って抑えたカッティングにし、サビ・間奏は強めに弾き込んでフレーズの輪郭を前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分581msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の余韻が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは8分の粒が揃う程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 30%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 48%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 38%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 32%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 基本は指弾きで落ち着いたグルーヴを出し、サビでピックに持ち替えて音圧をわずかに足す使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、8分の粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギターの抑えたカッティングで曲の骨格を提示し、ベースは8分で落ち着いて土台を作ります
- Aメロ: 歌を邪魔しないようリズムパッチのゲインを絞り、ベースはルートを軸に落ち着いたグルーヴを支えます
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、高揚感を作ります
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと付点8分581msのディレイを軽く重ね、ベースはサビパッチで音圧を上げます
- 間奏: リードギターのフレーズをルーム系リバーブで軽く広げ、輪郭を保ったまま余韻を残します
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残して静かに着地します
まとめ
- BPM155のディレイ基準値は8分387ms・付点8分581msです
- 菅田将暉はソロ歌手でツアーごとにサポートメンバーの編成が変わるため、ここでは2024年時点のギタリスト(西田修大)を基準とした1本のパッチ切り替え運用を紹介しました
- 切なさとロックバラードとしての熱量の両立を最優先に、ギターは歪みを溜め込まずコードの分離感を保つのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は同じ菅田将暉の他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(155)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。