SEKAI NO OWARI「RPG」はBPM135、キーEメジャーの壮大なポップロックナンバーです。映画「クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃」主題歌として2013年に発売され、ストリーミング累計2億回を超える同バンドを代表するヒット曲です。バンドスコア(Vo./E.Guitar(Capo2)/Keyboards/Bass/Drums編成)が複数出版社から現行流通し、ピアノソロ単体の楽譜も入門〜中級で複数種類出版されるほど、ピアノ/キーボードのフレーズが独立して聴こえる曲です。原曲のベースはDJ LOVEによる打ち込みトラックが基本ですが、この記事ではバンドカバーとして実演奏する前提で、ギター(Nakajin)・ベース・キーボード(Saori)の設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロ・サビを通してコードストロークで曲を押し上げる役割。歪みは中程度に留め、壮大さを支えるクリーンに近いクランチが理想です。
- リードギター: サビ・間奏でメロディを彩る役割。歪みを増やすのではなく、ブーストで前に出す形で輪郭を保ちます。
- ベース: 8分主体でルート音を丁寧に刻み、ピアノ/キーボードの動きを低音で支える役割。粒立ちを保ちながらサビでしっかり前に出ます。
- キーボード: イントロから曲を貫く印象的なピアノフレーズが曲の顔で、サビではストリングス系シンセが加わり壮大さを増幅します。ピアノ単体でも曲だと分かるほど独立して聴こえます。
- 壮大さとポップさを両立させ、ギターは歪みを溜め込みすぎずピアノのフレーズを邪魔しないのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(中程度) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 30%(音が団子にならず、コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 52%(明るさを出しつつ耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 50%(削らない方針)/ BASS 38%(ベース・キーボードの低域と被らない上限)/ LEVELはピアノを邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 18%、TONE 52%、LEVEL 50%。「壮大さを支える」程度に留めるのが判断基準で、これを超えるとピアノフレーズが埋もれます
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。歪み量を増やさず音量と輪郭だけを前に出すのが目的で、ゲインが上がったと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM135から算出すると、8分 = 60000÷135 ≒ 444ms、付点8分 = 444×1.5 ≒ 667ms。リズムはディレイを薄く抑えてストロークの輪郭を優先し、リードはサビ・間奏のフレーズで付点8分667msを軽く重ねて壮大な余韻を作ります
- リバーブ方針: ホール系を中程度にMix 32%程度。壮大さを支える広がりを作りつつ、アタックがぼやけない範囲に留めます
- パッチ対比表: ギター1本の編成のため、セクションごとに下記パッチを切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ(サビ・間奏で切替) |
|---|---|---|
| GAIN | 30% | 36% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/22% |
| リバーブMix | 32% | 38% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 5(明るさを出す範囲)/ MIDDLE 5(削らない)/ BASS 4(ベース・キーボードと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: Aメロ・Bメロは手元を軽く絞ってピアノを立てるように弾き、サビ・間奏は強めに弾き込んでストロークの輪郭を前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分667msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の壮大な余韻が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは8分の粒が揃う程度、レシオ3:1前後。原曲は打ち込みベースで粒が均一なため、生演奏でもアタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 32%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 48%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 36%(ギター・キーボードと被らない上限)/ TREBLE 30%(刺さらない範囲)/ LEVELはピアノを邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI6:アンプ4を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 6:4 | 5:5 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI 軽め(輪郭を出す範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 基本は指弾きで丁寧にルートを刻み、サビでピックに持ち替えて音圧を足す使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、8分の粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
⑤キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ: イントロ〜曲全体を貫くアコースティックピアノ系フレーズを主役に、サビではストリングス系シンセ・パッド系で壮大さを足します。ピアノフレーズ単体でも曲だと認識できるほど独立して聴こえるかが選定の判断基準で、実際にピアノソロ単体の楽譜が複数出版されている点も裏付けになります
- EQ方針: 250〜500Hz付近をギター・ベースと被らない範囲でわずかにカットし、ピアノの高域アタックとサビのストリングス成分は残します。バンド全体で音の隙間があるかを耳で確認しながら削るのが基準です
- 空間系: BPM135から8分444ms・付点8分667ms。イントロのピアノフレーズには8分444msを薄くMixして輪郭を保ち、サビのストリングス/パッドには付点8分667msで奥行きを足します
- セクションごとの運用: イントロはピアノフレーズを主役に音量を上げ、Aメロ・Bメロは伴奏に回って音量を絞り、サビはストリングス/パッドで厚みを足しつつピアノのフレーズ感も残して壮大さを強調します
セクション別の組み立て
- イントロ: キーボードのピアノフレーズを主役に、ギターはリズムパッチで音量を抑えて土台を作ります
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムパッチのゲインを絞り、ベースはピアノの動きを支える丁寧な粒立ちを優先します
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、壮大さへの高揚感を作ります
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと付点8分667msのディレイを軽く重ね、ベースはサビパッチで音圧を上げ、キーボードもストリングス/パッドを前に出して壮大さを強調します
- 間奏: リードギターのフレーズとキーボードのピアノフレーズを絡ませ、ホール系リバーブで広がりを作ります
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残して壮大な余韻を保ったまま着地します
まとめ
- BPM135のディレイ基準値は8分444ms・付点8分667msです
- SEKAI NO OWARIは原曲のベースが打ち込みトラックですが、この記事ではバンドカバーとして実演奏する前提の設定をまとめました
- 壮大さとポップさを両立させ、ギターは歪みを溜め込みすぎずピアノのフレーズを邪魔しないのがこの曲最大の判断基準です
- イントロのピアノフレーズを主役として扱うのがこの曲の判断基準の一つです
- 次回は同じSEKAI NO OWARIの他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(135)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。