L'Arc-en-Ciel「READY STEADY GO」は、BPM144・キーC#/Dbメジャーの疾走感あるロックナンバーです。アニメ「鋼の錬金術師」第2期のオープニングテーマとしても知られ、ギター・ベース・ドラムを伴うバンドアレンジで演奏される定番曲で、実際にバンドで弾いてみた動画やベース単体の弾いてみた動画も複数実在することが確認できています。この記事では、ギター(ken)のマルチエフェクター設定とマーシャル単体設定、ベース(tetsuya)のマルチエフェクター設定とアンプ(DI)単体設定を、判断基準つきでまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(ken): Aメロ・Bメロで曲を前に押し出す8ビートのカッティングを刻む役割。歪みは薄めに保ち、コードの輪郭がぼやけないことが理想です。
- リードギター(ken): サビ・間奏で単音フレーズとパワーコードを織り交ぜ、疾走感を一段引き上げる役割。ギター1本の編成なので、リズムとリードの切り替わりがゲイン量とディレイの深さの差ではっきり聴き分けられることが基準になります。
- ベース(tetsuya): BPM144の速いテンポを崩さず、8分主体で走り続けながらサビでは音の圧を増して曲の推進力を支える役割。粒立ちの良さと疾走感の両立が求められます。
- 速いテンポの中でもミドルを削らず、歪みは薄く保って各パートの輪郭が団子にならないようにすることが音作りの共通原則です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め) → アンプモデル(クランチ)
→ ブースター(リードのみ) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 40%(Aメロのカッティングが団子にならない上限)/ TREBLE 55%(速いカッティングの輪郭を保つ範囲)/ MIDDLE 55%(削らない方針、C#/Dbメジャーの明るさを保つ)/ BASS 35%(ベースと被らない上限)/ LEVELはボーカルの手前で止まる音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 25〜30%、TONE 50%、LEVEL 45%。BPM144の速いカッティングで音の粒が潰れず、サビでパワーコードを弾いても濁らない上限まで上げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは軽く+LEVELを+3〜4dB程度。サビ・間奏でリードフレーズに切り替わる瞬間が、疾走感の加速として耳ではっきり伝わる範囲に収めるのが判断基準です
- ディレイブロック: BPM144から算出すると、8分 = 60000÷144 = 416.67ms(実運用は417ms)、付点8分 = 417×1.5 = 625.5ms(実運用は625ms)。Aメロのカッティングには軽く8分417msを添え、サビ・間奏のリードフレーズには付点8分625msで奥行きを足します
- リバーブ方針: ルーム系を浅めにMix 12%程度。速いテンポでリバーブの尾が次の音とかぶって団子にならないかを耳で確認するのが基準です
- パッチ対比表: kenの単独ギター編成のため、1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等)は下記パッチをセクションごとに切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ(Aメロ・Bメロ用) | リードパッチ(サビ・間奏用) |
|---|---|---|
| GAIN | 40% | 50% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/12% | 付点8分/22% |
| リバーブMix | 10% | 16% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4(Aメロのカッティングが濁らない上限〜サビで抜けが失われない下限)/ TREBLE 5(速いカッティングの輪郭を活かす範囲)/ MIDDLE 6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 5(速いピッキングで耳が痛くならない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: 単独ギター編成のため、Aメロ・Bメロはピッキングを軽めにしてカッティングの歯切れを出し、サビ・間奏では強めのピッキングとパワーコードで音圧を上げることで、疾走感の加速をピッキングだけで表現するのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分625msの奥行きを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏のリードフレーズの抜け方が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドはBPM144の速い8分弾きでも粒が均一に聴こえる程度、レシオ4:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 45%(速い8分弾きでも音が暴れない上限)/ BASS 55%/ LOW-MID 50%(C#/Dbメジャーの明るさを支える方針)/ HIGH-MID 40%(カッティングと被らない上限)/ TREBLE 30%(刺さらない範囲)/ LEVELはサビで音圧を一段上げる音量が基準。DI+アンプの比率はDI6:アンプ4を起点に、速い8分弾きでもアタック感が残る範囲でアンプ側の色を混ぜるのが判断基準です
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビで音圧を足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わず、疾走感が鈍らない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ(Aメロ・Bメロ) | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | やや強め(粒立ち優先) | 軽め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 6:4 | 5:5 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +2〜3dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 5(速い8分弾きで音が痩せない下限〜サビで暴れない上限)/ ULTRA LO 軽め(もたつかない範囲)/ ULTRA HI 軽め(硬くなりすぎない範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: Aメロ・Bメロは指弾きで粒立ちよく8分を刻み、サビでピック弾き寄りの明瞭なアタックに切り替えると、疾走感の加速がはっきり強調できます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、速い8分弾きの粒を均す外部コンプペダルを1台足すと安定感が増します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギター(ken)がカッティングで疾走感を提示し、ベース(tetsuya)は指弾きで8分を刻んで推進力を作ります
- Aメロ: ギターのゲインを抑えめにし、ベースのコンプはやや強めにして粒立ちを揃え、速いテンポでも音像が団子にならない音量に収めます
- Bメロ: サビに向けてギターのディレイを付点8分に切り替える準備をし、ベースのコンプも軽めに移行して音圧の上昇を準備します
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターと付点8分625msのディレイをONにし、ベースはサビパッチで音圧を最大化します
- 間奏: kenがブースターとディレイを保ったまま単音リードフレーズで前に抜け、ベースは通常パッチに戻して隙間を作ります
- ラスサビ〜アウトロ: 音量・エフェクトともにこの曲で最も深い設定を維持しつつ、速いテンポの疾走感を最後まで途切れさせません
まとめ
- BPM144のディレイ基準値は8分417ms・付点8分625msです。サビ・間奏のリードフレーズには付点8分を、Aメロ・Bメロのカッティングには8分を軽くかけるのがコツです
- kenの単独ギター編成のため、宅録・弾いてみたではリズム/リードのパッチ切り替えでセクションごとの役割を表現します
- ベースは通常パッチとサビパッチでコンプ量とDI:アンプ比率を切り替え、速いテンポを崩さずサビの音圧を両立させます
- 速いテンポの曲なので、ゲインや歪みを上げすぎず輪郭を保てるかどうかがこの曲の音作りの最大のポイントです
- 次回は同アーティストの別の代表曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(144)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。