米津玄師「ピースサイン」は、BPM200・キーCマイナーの楽曲です。2017年発売の7thシングルでTVアニメ「僕のヒーローアカデミア」オープニングテーマとして知られ、公式バンドスコアにもボーカル/コーラス2部/キーボード&パーカッション/エレキギター3本/エレキベース/ドラムという編成が明記される、実在のバンド演奏を前提とした定番曲です。ギター弾いてみた・ベース弾いてみた動画も複数実在し、疾走感のあるギターメロディが曲を牽引するアップテンポなポップパンク寄りのロックナンバーとして知られています。米津玄師のライブは中島宏士(Gt)・須藤優(Ba)・宮川純(Key)を含む固定サポートメンバーによるバンド編成で行われており、この記事ではギター(中島宏士)のマルチエフェクター設定とマーシャル単体設定、ベース(須藤優)の設定を判断基準つきでまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(中島宏士): Aメロ・Bメロで疾走感のあるカッティングを刻み、200という速いテンポでも音が団子にならない粒立ちを保つ役割。歪みは薄く、輪郭のはっきりした質感が理想です。
- リードギター(中島宏士): サビ・間奏で曲を牽引するメロディックなフレーズを弾く役割。ギター1本の編成なので、リズムとの切り替わりがゲイン量とディレイの深さの差ではっきり聴き分けられることが基準になります。
- ベース(須藤優): 速いテンポを支える8分・16分主体のラインで曲の推進力を作る役割。走らず粒が潰れない安定感が求められます。
- 200という速いテンポでも音の輪郭を潰さず、疾走感を保ったまま各パートの粒立ちをはっきりさせるのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(やや強め) → アンプモデル(クランチ〜ハイゲイン)
→ ブースター(リードのみ) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 40〜45%(速いカッティングでも音が団子にならない上限)/ TREBLE 55%(耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 50%(削らない方針)/ BASS 35%(ベースの低域と被らない上限)/ LEVELはリードメロディが埋もれない程度が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 30〜35%、TONE 55%、LEVEL 50%。速いピッキングでも音の粒が潰れて団子にならない上限が判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+2dB程度。サビのメロディが前に出すぎてボーカルを食わない範囲に収めるのが判断基準です
- ディレイブロック: BPM200から算出すると、8分 = 60000÷200 = 300ms、付点8分 = 300×1.5 = 450ms。速いテンポなので基本は8分300msを薄くタップし、サビの伸びやかなフレーズには付点8分450msで余韻を持たせます
- リバーブ方針: プレート系を浅めにMix 12%程度。速いカッティングの粒立ちが残響で滲み始めたら深すぎるサインです
- パッチ対比表: 中島宏士の単独ギター編成のため、1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等)は下記パッチをセクションごとに切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ(Aメロ・Bメロ用) | リードパッチ(サビ・間奏用) |
|---|---|---|
| GAIN | 40% | 50% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/8% | 付点8分/14% |
| リバーブMix | 10% | 15% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 5(速いカッティングでも音が団子にならない上限)/ TREBLE 5(耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 5(硬くなりすぎない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: Aメロ・Bメロは手首を柔らかく使ったオルタネイトピッキングで疾走感を保ち、サビ・間奏では弾き込みを強めてメロディを前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分450msの余韻を再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビの伸びやかさが大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは速い16分の粒が均一に聴こえる程度、レシオ3:1〜4:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 40%(速いラインでも音が痩せない上限)/ BASS 55%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 25%(刺さらない範囲)/ LEVELは曲全体を通して推進力を支える音量が基準。DI+アンプの比率はDI6:アンプ4を起点に、速いパッセージでもアタック感が残る範囲でアンプ側の色を混ぜるのが判断基準です
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFF。サビでほんの少しだけ厚みを足したい時のみ軽くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ(Aメロ・Bメロ) | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | やや強め(粒立ち優先) | 軽め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 6:4 | 5:5 |
| ドライブ | OFF | ごく薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 5(速いラインでも音が痩せない下限〜サビで暴れない上限)/ ULTRA LO 軽め(もたつかない範囲)/ ULTRA HI 軽め(硬くなりすぎない範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 曲を通してピック弾きでアタックのはっきりした音を保ち、サビでほんの少し弦を強く押し込むと音圧差がはっきり作れます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、速い16分の粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと安定感が増します
セクション別の組み立て
- イントロ: ギター(中島宏士)はリズムパッチで速いカッティングの輪郭だけを整え、ベース(須藤優)は指弾きで推進力のあるラインの粒立ちを揃えます
- Aメロ: 歌を邪魔しないようリズムギターは音量を絞り、ベースは通常パッチで落ち着いたコンプ量を保ちます
- Bメロ: サビに向けディレイMixとリバーブを少しずつ深くし、ベースのコンプもやや軽めに移行して音圧の上昇を準備します
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターと付点8分450msのディレイをONにし、ベースはサビパッチで音圧を少し上げ、疾走感のあるメロディを曲の中心に据えます
- 間奏: リードギターのメロディを主役に、ベースは推進力を落とさず粒立ちを保ちます
- ラスサビ〜アウトロ: 音量・エフェクトともにこの曲で最も開放的な設定を維持しつつ、200という速いテンポの疾走感を最後まで保ったまま着地します
まとめ
- BPM200のディレイ基準値は8分300ms・付点8分450msです
- 中島宏士の単独ギター編成のため、宅録・弾いてみたではリズム/リードのパッチ切り替えでセクションごとの役割を表現します
- 速いテンポでも音が団子にならないよう、コンプとゲインの上限を耳で確認しながら攻めるのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は同アーティストの別の代表曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
この曲の設定を試聴する
DELAYはこの曲のBPM(200)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。