GReeeeN「オレンジ」はBPM91(倍取りで182と表記される場合あり)、キーDで始まり後半でEへ転調する卒業ソングの定番です。2012年発売、資生堂「SEA BREEZE」CMソング。バンドスコア(Vocal/E.Guitar×2/A.Piano(E.Piano)/E.Bass/Drums/Synth×2編成)が複数出版社から流通し、パワーコードでざっくり完コピできるギターTAB譜も公開されています。GReeeeNは素顔を明かさない4人組ボーカルユニットで自身は楽器を演奏せず、ライブでは固定の支援メンバーによるバックバンドを従えます。ギターは高田翼・KOUICHIの2人体制、キーボードはnishi-ken(西田健太郎)です。実際にバンドでこの曲を演奏する際「キーボードのパートをカットしてもよいか」という質問がネット掲示板に立つほど、キーボードパートの存在感が意識される曲であるため、この記事では2本ギター+キーボードの設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロでパワーコード/カッティングを刻み、卒業ソングらしい前向きな推進力を支える役割。歪みは中程度に抑え、歌の抜けを両立する質感が理想です。
- リードギター: サビ・間奏でメロディに寄り添うフレーズを担う役割。輪郭をはっきりさせつつ、転調後の高揚感を邪魔しない伸びを狙います。
- ベース: アップテンポなビートで曲を前に進める役割。粒立ちを保ちながらサビでしっかり前に出ます。
- キーボード: Synth×2パートが加わる曲全体の厚みを支える役割です。ギター・ボーカルと帯域が被らない、埋もれすぎない質感が理想です。
- バンドで2人ギターがいる場合: GReeeeNの実際のサポートバンドもギター2人体制(高田翼/KOUICHI)です。ギター1は曲を通してリズム担当、ギター2は曲を通してリード担当という役割固定にし、2本を同時に鳴らして分解を作ります。
- 1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等): セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を1人で再現します。
- 転調後の高揚感を歪みで潰さず、パワーコードとシンセの厚みで支えるのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(中程度) → アンプモデル(クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 36%(パワーコードの分離感が残る上限)/ TREBLE 50%(刺さらない範囲)/ MIDDLE 52%(削らない方針)/ BASS 38%(ベース・キーボードと被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 24%、TONE 48%、LEVEL 48%。パワーコードの低音が団子にならない上限がドライブ量の判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。フレーズだけを前に出し、歪み感自体が変わったらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM91から算出すると、8分 = 60000÷91 ≒ 659ms、付点8分 = 659×1.5 ≒ 989ms。リズムはディレイを薄く抑えてパワーコードの輪郭を優先し、リードはサビ・間奏のフレーズで付点8分989msを軽く重ねて広がりを作ります
- リバーブ方針: ホール系を中程度にMix 26%程度。転調後の高揚感を保ちつつ、アタックがぼやけない範囲に留めます
- パッチ対比表: バンドで2人ギターがいる場合は、ギター1・ギター2がそれぞれ下記のパッチを曲を通して同時に鳴らし続けます。1人で両方を担当する場合は、この2パッチをセクションごとに切り替えて使ってください
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/1人の場合は基本パッチ) | リードパッチ(ギター2/1人の場合はサビ等で切替) |
|---|---|---|
| GAIN | 36% | 42% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/24% |
| リバーブMix | 26% | 32% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4〜5(パワーコードの分離感が残る上限)/ TREBLE 5(刺さらない範囲)/ MIDDLE 5(削らない)/ BASS 4(ベース・キーボードと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: Aメロ・Bメロはブリッジミュートで推進力のあるパワーコードを刻み、サビ・転調後はミュートを外して開放的に弾き込むのが基本です(2人編成なら高田=終始パワーコード、KOUICHI=サビで前に出るリード)
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分989msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の広がりが大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは8分の粒が揃う程度、レシオ3.5:1前後。アップテンポなビートのアタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 38%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 46%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 36%(ギター・キーボードと被らない上限)/ TREBLE 30%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI5:アンプ5を起点に、ピック弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 中程度(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 5:5 | 4:6 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3〜4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 基本はピック弾きで推進力を出し、サビ・転調後はさらに強めのアタックで音圧を足すのが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、8分の粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
⑤キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ: シンセパッド系。バンドから抜いた際に厚みの物足りなさが出るかどうかが選定の判断基準です
- EQ方針: 300〜500Hz付近をギター・ベースと被らない範囲でわずかにカット。バンド全体で音の隙間があるかを耳で確認しながら削るのが基準です
- 空間系: BPM91から8分659ms・付点8分989ms。サビ・転調後の盛り上がりには付点8分989msを薄くMixし、Aメロ・Bメロはディレイを絞ってコード感を優先します
- セクションごとの運用: イントロ・Aメロは控えめにパワーコードの推進力を邪魔せず、サビ・転調後は音量を上げて厚みを足します
セクション別の組み立て
- イントロ: ギターのパワーコードを主役に、キーボードは薄く添える程度に留めます
- Aメロ・Bメロ: ギター(高田)はブリッジミュートのリズムパッチ中心、キーボードは控えめに、ベースはピック弾きで推進力を出します
- サビ: ギターはリードパッチ(KOUICHI)に切り替えブースターと付点8分989msのディレイをONにし、ベースはサビパッチで音圧を上げ、キーボードは厚み担当として音量を上げます
- 転調後(ラスサビ): 全パートで音量を一段上げ、キーボードのシンセパッドを厚くして開放的な高揚感を作ります
- アウトロ: 音数を減らしつつ推進力は保ち、最後は余韻を残して着地します
まとめ
- BPM91のディレイ基準値は8分659ms・付点8分989msです(BPMデータベースによっては倍テンポの182と表記されるが、パワーコードの体感テンポからハーフテンポの91を採用)
- 原曲はキーDで始まり後半でEへ転調するため、転調後のパッチ切り替えタイミングも意識してください
- GReeeeNは楽器を演奏しないボーカルユニットのため、ギター2人体制(高田翼/KOUICHI)+キーボード(nishi-ken)の実在サポートバンド編成を前提に音作りを解説しました
- 次回は同じGReeeeNの「遥か」の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(91)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。