嵐「Monster」はBPM135、キーE♭マイナーのゴシック色の強いダンスチューンです。宍倉聖悟・江渡大悟という実在の2人ギタリストを含むマウントブラストが長年のツアーで生演奏しており、アコギ弾いてみた・TAB譜・弦楽トリオカバーなど演奏実例も豊富な代表曲です。原曲は鋭いピチカートのストリングスと深いシンセベースでゴシックな世界観を作っており、間奏ではストリングスが主旋律を担う構成が特徴です。この記事では2本ギター+シンセストリングスのバンドサウンドを再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロ・サビを通して刻みで曲の緊張感を支える役割。歪みは中程度に留め、ゴシックな硬質さを出します。
- リードギター: サビ・間奏でフレーズを彩る役割。歪みを増やすのではなく、ブーストで前に出す形で輪郭を保ちます。
- ベース: ルートを軸に低音を支える役割。シンセベースと帯域が被りやすいので、もたつかない粒立ちが重要です。
- キーボード: 鋭いピチカート風のシンセストリングスと深いシンセベースで世界観を作る役割です。間奏では主旋律を担うほど独立して聴こえます。
- バンドで2人ギターがいる場合: マウントブラストの宍倉聖悟・江渡大悟という実在の2人ギター編成であり、ギター1は曲を通してリズム担当、ギター2は曲を通してリード担当という役割固定で2本を同時に鳴らします。
- 1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等): セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を1人で再現します。
- 硬質なゴシックの緊張感と、シンセストリングスの鋭さを両立させるのがこの曲の音作りの核心です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(中程度) → アンプモデル(クランチ〜ハイゲイン薄め)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 35〜40%(コードの分離感を保ちつつ硬さを出す上限)/ TREBLE 55%(刺さらない範囲でエッジを残す)/ MIDDLE 45%(削りすぎない方針)/ BASS 35%(ベース・シンセベースと被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 25〜30%、TONE 50%、LEVEL 55%。輪郭が潰れて団子にならない上限まで上げるのが判断基準で、これを超えるとゴシックな硬質さより単なる重さが勝ってしまいます
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。歪み量を増やさず音量と輪郭だけを前に出すのが目的で、ゲインが上がったと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM135から算出すると、8分 = 60000÷135 ≒ 444ms、付点8分 = 444×1.5 ≒ 667ms。リズムは8分444msを薄くタップし、リードはサビ・間奏のフレーズで付点8分667msを軽く重ねて余韻を作ります
- リバーブ方針: ルーム系を薄めにMix 25%程度。ゴシックな硬質さを保つため、深すぎるホール系は避けます
- パッチ対比表: バンドで2人ギターがいる場合は、ギター1・ギター2がそれぞれ下記のパッチを曲を通して同時に鳴らし続けます。1人で両方を担当する場合は、この2パッチをセクションごとに切り替えて使ってください
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/宍倉用) | リードパッチ(ギター2/江渡用) |
|---|---|---|
| GAIN | 35% | 40% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/20% |
| リバーブMix | 25% | 30% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4〜5(硬さを出しつつ分離感が残る上限)/ TREBLE 6(エッジを出す範囲)/ MIDDLE 4〜5(削りすぎない)/ BASS 3〜4(ベース・シンセベースと被らない上限)/ PRESENCE 5(耳当たりが硬くなりすぎない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは手元を絞ってタイトに緊張感を保ち、サビ・間奏は強めに弾き込んでフレーズの輪郭を前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分667msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の余韻が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは指弾き・ピック弾きどちらでも粒が揃う程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 45%(シンセベースと帯域が被らない上限)/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギター・シンセと被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 4〜5(シンセベースと帯域が被らない上限)/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3〜4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: Aメロ・Bメロは指弾きでタイトに緊張感を保ち、サビでピックに持ち替えて音圧とアタックを足す使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
⑤キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ: シンセストリングス(ピチカート系)+シンセベース系。間奏で主旋律を単独で担えるほど輪郭がはっきりしているかが選定の判断基準です
- EQ方針: 200〜400Hz付近をベースと被らない範囲でわずかにカットし、ピチカートの鋭いアタック成分は残します。バンド全体で音の隙間があるかを耳で確認しながら削るのが基準です
- 空間系: BPM135から8分444ms・付点8分667ms。間奏の主旋律フレーズには8分444msを薄くMixして輪郭を保ち、サビのパッド成分には付点8分667msで奥行きを足します
- セクションごとの運用: イントロ・間奏はストリングスの主旋律を主役に音量を上げ、Aメロ・Bメロは伴奏に回って音量を絞り、サビはギターと絡めてゴシックな厚みを強調します
セクション別の組み立て
- イントロ: キーボードのピチカート系ストリングスを主役に、ギターはリズムパッチで緊張感のある土台を作ります
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムパッチのゲインを絞り、ベースはシンセベースと帯域を分けて安定させます
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、緊張感を高めます
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと付点8分667msのディレイを軽く重ね、ベースはサビパッチで音圧を上げ、キーボードも厚みを足して曲の顔を強調します
- 間奏: キーボードのストリングスに主旋律を任せ、ギターは伴奏に回ってゴシックな余韻を残します
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残して硬質な緊張感を保ったまま着地します
まとめ
- BPM135のディレイ基準値は8分444ms・付点8分667msです
- マウントブラストの宍倉聖悟・江渡大悟という実在2人ギター編成のため、バンドは2本同時運用、1人なら切り替え運用で対応します
- 間奏でシンセストリングスに主旋律を任せるのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は同じ嵐の他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(135)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。