SEKAI NO OWARI「MAGIC」はBPM175、キーGメジャーの疾走感の強いアップテンポなロックナンバーです。パンクロックバンドHAWAIIAN6の楽曲をFukaseが編曲したカバー曲で、2014年発売シングル「Dragon Night」のカップリング曲として収録されました。U-FRETにギターコード・ピアノコードが掲載され、ギターコード譜(JOYSOUND提供)・無料ギターTAB譜(コードストロークアレンジver.)が現行流通するほか、ピアノソロ譜だけでも初級〜中〜上級まで複数出版社から出版されるほど、ピアノパートも独立して聴かせる力を持つ曲です。間奏部分ではSaoriのキーボード/ピアノが活躍することも確認できました。SEKAI NO OWARIは現在もギタリストがNakajin1人であるため、この記事では単独ギター前提で、キーボード(Saori)とあわせた設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロ・サビを通して速いテンポでストロークを刻み、疾走感を推進する役割。歪みは中〜強程度で、パンクロック由来の攻撃的な質感が理想です。
- リードギター: サビ・間奏でフレーズを彩る役割。歪みを増やすのではなく、ブーストで前に出す形で輪郭を保ちます。
- ベース: 8分主体でルートを速く力強く刻み、疾走感の土台を支える役割。粒立ちを保ちながらサビでしっかり前に出ます。
- キーボード: 間奏部分でピアノ/キーボードが独立したフレーズとして活躍し、ピアノソロ単体の楽譜が複数出版されるほど存在感のあるパートです。
- パンクロック由来の疾走感と攻撃性を最優先に、ギターは歪みを溜め込みすぎず間奏のピアノフレーズを邪魔しないのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(強め) → アンプモデル(クランチ〜歪み)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 46%(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 56%(攻撃的な明るさを出しつつ耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 46%(削りすぎない方針)/ BASS 34%(ベースと被らない上限)/ LEVELは疾走感を支える音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 32%、TONE 54%、LEVEL 52%。「パンクロック由来の攻撃性を支える」程度に留めるのが判断基準で、これを超えると音が団子になりストロークの輪郭が失われます
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。歪み量を増やさず音量と輪郭だけを前に出すのが目的で、ゲインが上がったと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM175から算出すると、8分 = 60000÷175 ≒ 343ms、付点8分 = 343×1.5 ≒ 514ms。ハイテンポな曲のため、リズムはディレイをごく薄く抑えてストロークの輪郭を最優先し、リードはサビ・間奏のフレーズで8分343msを軽く重ねて速い曲でも音が濁らない余韻を作ります
- リバーブ方針: ルーム系を薄めにMix 22%程度。疾走感を殺さないよう、深すぎるホール系でアタックがぼやけないよう注意します
- パッチ対比表: ギター1本の編成のため、セクションごとに下記パッチを切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ(サビ・間奏で切替) |
|---|---|---|
| GAIN | 46% | 52% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/8% | 8分/16% |
| リバーブMix | 22% | 26% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 5〜6(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 5〜6(攻撃的な明るさを出す範囲)/ MIDDLE 4〜5(削りすぎない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4〜5(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: Aメロ・Bメロは手元をやや絞って疾走感のグルーヴを丁寧に刻み、サビ・間奏は強めに弾き込んでストロークの輪郭を前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、8分343msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、ハイテンポでも音が濁らずサビ・間奏の輪郭が保てます
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは8分の粒が揃う程度、レシオ4:1前後。ハイテンポで粒が均一になりにくいため、アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 38%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 47%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 39%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 33%(刺さらない範囲)/ LEVELは疾走感を支える音量が基準。DI+アンプの比率はDI5:アンプ5を起点に、指弾き/ピック弾きどちらでもアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): サビでは軽いドライブをONにして音圧を足しますが、低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | やや強め(速いテンポで粒立ち優先) | 強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 5:5 | 4:6 |
| ドライブ | 薄くON | しっかりON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 5(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI 軽め(輪郭を出す範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 基本はピック弾きで速く力強くルートを刻み、サビでさらに音圧を足す弾き方が基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、8分の粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
⑤キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ: 間奏で活躍するアコースティックピアノ系フレーズを主役に、要所でシンセ系の音色を薄く重ねます。ピアノフレーズ単体でも曲だと認識できるほど独立して聴こえるかが選定の判断基準で、実際にピアノソロ単体の楽譜が初級〜上級まで複数出版されている点も裏付けになります
- EQ方針: 250〜500Hz付近をギター・ベースと被らない範囲でわずかにカットし、ピアノの高域アタックは残します。バンド全体で音の隙間があるかを耳で確認しながら削るのが基準です
- 空間系: BPM175から8分343ms・付点8分514ms。間奏のピアノフレーズには8分343msを薄くMixして輪郭を保ちます
- セクションごとの運用: イントロ・Aメロ・Bメロは伴奏に回って音量を絞り、間奏はピアノフレーズを主役に音量を上げ、サビはギターの疾走感を邪魔しない範囲で薄く音を重ねます
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギターのストロークで曲の骨格を提示し、ベースは8分で速く力強く土台を作ります
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムパッチのゲインを絞り、ベースは疾走感を保ちながら丁寧な粒立ちを優先します
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、攻撃性を高めます
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと8分343msのディレイを軽く重ね、ベースはサビパッチで音圧を上げます
- 間奏: キーボードのピアノフレーズを主役に据え、ギターは音量を絞って伴奏に徹します
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残して疾走感を保ったまま着地します
まとめ
- BPM175のディレイ基準値は8分343ms・付点8分514msです
- SEKAI NO OWARIは現在もギタリストがNakajin1人のため、単独ギターのパッチ切り替え運用を紹介しました
- パンクロック由来の疾走感と攻撃性を最優先に、ギターは歪みを溜め込みすぎず間奏のピアノフレーズを邪魔しないのがこの曲最大の判断基準です
- 間奏のキーボード(ピアノ)フレーズを主役として扱うのがこの曲の判断基準の一つです
- 次回は同じSEKAI NO OWARIの他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(175)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。