L'Arc-en-Ciel「Link」は、BPM152・キーFメジャーの楽曲です。数値通りの高速テンポで、畳みかけるカッティングと疾走するドラムが前に出るため、バンドの中でも特に速い部類のロックナンバーに聴こえるのが特徴です。2005年発売の27thシングルでOricon最高2位を記録し、映画「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」主題歌としても知られる、ギター・ベース・ドラムを伴う実在のバンドアレンジで演奏される定番曲です。この記事では、ギター(ken)のマルチエフェクター設定とマーシャル単体設定、ベース(tetsuya)のマルチエフェクター設定とアンプ(DI)単体設定を、判断基準つきでまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(ken): Aメロ・Bメロで刻みの細かいカッティングを弾き、高速テンポでも音が団子にならず前に転がる推進力を作る役割。速い分だけ、一音一音の粒が潰れないことが理想です。
- リードギター(ken): サビ・間奏で疾走感のあるフレーズを響かせる役割。ギター1本の編成なので、リズムとリードの切り替わりがゲイン量とディレイの深さの差ではっきり聴き分けられることが基準になります。
- ベース(tetsuya): BPM152という高速テンポを崩さず刻みながら、サビでは音の圧を増して曲を押し上げる役割。速いパッセージでも粒立ちの良さを保つことが求められます。
- BPM152の高速テンポでも音が団子にならず、一音一音の輪郭が保たれることがこの曲の音作りの共通原則です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(中程度〜やや強め) → アンプモデル(クランチ〜ハイゲイン)
→ ブースター(リードのみ) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 55%(高速カッティングでも音が潰れず粒が立つ上限)/ TREBLE 60%(Fメジャーの明るさを損なわない範囲)/ MIDDLE 50%(削らない方針、疾走感の中で音が薄くならないよう支える)/ BASS 35%(ベースと被らない上限)/ LEVELはボーカルの手前で止まる音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 40〜45%、TONE 55%、LEVEL 45%。BPM152の高速カッティングを弾いても粒立ちが潰れず、コードの輪郭を保てる上限まで上げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは軽く+LEVELを+3〜4dB程度。サビ・間奏で前に飛び出す瞬間が耳ではっきり伝わる範囲に収めるのが判断基準です
- ディレイブロック: BPM152から算出すると、8分 = 60000÷152 = 394.7ms、付点8分 = 394.7×1.5 = 592.1ms。Aメロ・Bメロのカッティングには軽く8分394.7msを添え、サビ・間奏のフレーズには付点8分592.1msで疾走感を後押しします。高速テンポではディレイのリピート回数を上げすぎると音が団子になるため、1〜2回のリピートに抑えるのが判断基準です
- リバーブ方針: プレート系を浅めにMix 12%程度。速いパッセージが団子にならないかを耳で確認しながら、必要最小限に留めるのが基準です
- パッチ対比表: kenの単独ギター編成のため、1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等)は下記パッチをセクションごとに切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ(Aメロ・Bメロ用) | リードパッチ(サビ・間奏用) |
|---|---|---|
| GAIN | 55% | 65% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/20% |
| リバーブMix | 10% | 15% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 6(高速カッティングの粒が潰れない上限〜サビで抜けが失われない下限)/ TREBLE 6(Fメジャーの明るさを活かす範囲)/ MIDDLE 5(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 5(前に出しても耳に刺さらない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: 単独ギター編成のため、Aメロ・Bメロはピッキングを軽めにして高速カッティングの粒立ちを出し、サビ・間奏では強めのピッキングで音圧を上げることで、疾走感の高まりをピッキングだけで表現するのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分592.1msの疾走感を再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の抜け方が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドはBPM152の速い刻みでも粒が均一に聴こえる程度、レシオ4:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 45%(高速なリズムに合わせても音が暴れない上限)/ BASS 55%/ LOW-MID 45%(音が薄くならないよう支える方針)/ HIGH-MID 40%(ギターのカッティングと被らない上限)/ TREBLE 30%(刺さらない範囲)/ LEVELはサビで音圧を一段上げる音量が基準。DI+アンプの比率はDI6:アンプ4を起点に、速いテンポでもアタック感が残る範囲でアンプ側の色を混ぜるのが判断基準です
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビで音圧を足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わず、こもった音にならない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ(Aメロ・Bメロ) | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | やや強め(粒立ち優先) | 軽め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 6:4 | 5:5 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +2〜3dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 5(高速リズムで音が痩せない下限〜サビで暴れない上限)/ ULTRA LO 軽め(もたつかない範囲)/ ULTRA HI 軽め(硬くなりすぎない範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: Aメロ・Bメロは指弾きで粒立ちよく高速リズムを支え、サビでピック弾き寄りの明瞭なアタックに切り替えると、疾走感の高まりがはっきり強調できます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、高速テンポの粒を均す外部コンプペダルを1台足すと安定感が増します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギター(ken)が高速カッティングで推進力を提示し、ベース(tetsuya)は指弾きで土台を支えます
- Aメロ: ギターのゲインを抑えめにし、ベースのコンプはやや強めにして粒立ちを揃え、高速テンポでも音が団子にならない音量に収めます
- Bメロ: サビに向けてギターのディレイを付点8分に切り替える準備をし、ベースのコンプも軽めに移行して音圧の上昇を準備します
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターと付点8分592.1msのディレイをONにし、ベースはサビパッチで音圧を最大化します
- 間奏: kenがブースターとディレイを保ったまま疾走感を増して前に抜け、ベースは通常パッチに戻して隙間を作ります
- ラスサビ〜アウトロ: 音量・エフェクトともにこの曲で最も開放的な設定を維持しつつ、高速テンポの推進力を最後まで途切れさせません
まとめ
- BPM152のディレイ基準値は8分394.7ms・付点8分592.1msです。サビ・間奏のフレーズには付点8分を、Aメロ・Bメロのカッティングには8分を軽くかけるのがコツです
- kenの単独ギター編成のため、宅録・弾いてみたではリズム/リードのパッチ切り替えでセクションごとの役割を表現します
- ベースは通常パッチとサビパッチでコンプ量とDI:アンプ比率を切り替え、高速テンポを保ちながらサビの音圧を両立させます
- BPM152という高速テンポの中でも、音を団子にせず一音一音の輪郭を保てるかがこの曲の音作りの最大のポイントです
- 次回は同アーティストの別の代表曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(152)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。