菅田将暉「Keep On Running」はBPM143、キーCメジャーの疾走感あふれるグルーヴィーなロックナンバーです。2020年発売の配信シングルとして、トヨタ自動車「カローラツーリング」CMソングに起用され、実在バンドOKAMOTO'Sのオカモトショウ・オカモトコウキが作詞作曲を手掛けたコラボレーション曲です。CMには菅田将暉とOKAMOTO'Sの4人が揃って出演し、MVでも5人が一体感のあるパフォーマンスを見せています。ベースtab譜がPiascoreから現行流通し、リードギターTAB譜・ギターコード譜も複数サイトで公開されていることから、バンド編成での再現需要が高い曲です。菅田将暉は俳優が本業のソロ歌手でツアーごとにサポートメンバーの編成が変わるため、この記事では2024年アリーナツアー「SPIN」時点のギタリスト(西田修大)を基準に、OKAMOTO'S譲りのグルーヴを1本のギターで再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロ・サビを通してグルーヴ感のあるカッティングで曲を推進する役割。歪みは中程度に留め、爽やかさを感じるクランチの質感が理想です。
- リードギター: サビ・間奏でフレーズを彩る役割。歪みを増やすのではなく、ブーストで前に出す形で輪郭を保ちます。
- ベース: 8分〜16分でグルーヴを刻み続け、疾走感の土台を支える役割。粒立ちを保ちながらサビでしっかり前に出ます。
- 爽やかな疾走感とグルーヴを最優先に、ギターは歪みを溜め込みすぎずリズムの躍動感を殺さないのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(中程度) → アンプモデル(クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 36%(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 52%(爽やかなエッジを出しつつ耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 46%(削りすぎない方針)/ BASS 36%(ベースと被らない上限)/ LEVELはグルーヴを支える音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 22%、TONE 50%、LEVEL 50%。「グルーヴの躍動感を保つ」程度に留めるのが判断基準で、これを超えるとコードの分離感が濁ります
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。歪み量を増やさず音量と輪郭だけを前に出すのが目的で、ゲインが上がったと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM143から算出すると、8分 = 60000÷143 ≒ 420ms、付点8分 = 420×1.5 ≒ 630ms。リズムはディレイを薄く抑えてカッティングのグルーヴを優先し、リードはサビ・間奏のフレーズで8分420msを軽く重ねて余韻を作ります
- リバーブ方針: ルーム系を薄めにMix 24%程度。爽やかな疾走感を殺さないよう、深すぎるホール系でアタックがぼやけないよう注意します
- パッチ対比表: ギター1本の編成のため、セクションごとに下記パッチを切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ(サビ・間奏で切替) |
|---|---|---|
| GAIN | 36% | 42% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/8% | 8分/18% |
| リバーブMix | 24% | 28% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 5(爽やかなエッジを出す範囲)/ MIDDLE 5(削りすぎない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: Aメロ・Bメロは手元を軽く絞ってグルーヴを丁寧に刻み、サビ・間奏は強めに弾き込んでフレーズの輪郭を前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、8分420msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の余韻が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは8分の粒が揃う程度、レシオ3.5:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 34%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 46%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 38%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 32%(刺さらない範囲)/ LEVELはグルーヴを支える音量が基準。DI+アンプの比率はDI6:アンプ4を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 6:4 | 5:5 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI 軽め(グルーヴの輪郭を出す範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 基本は指弾きでグルーヴィーなアタックを出し、サビでピックに持ち替えて音圧を足す使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、8分の粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギターのグルーヴィーなカッティングで曲の骨格を提示し、ベースは8分で力強く土台を作ります
- Aメロ: 歌を邪魔しないようリズムパッチのゲインを絞り、ベースはグルーヴを保ちながら落ち着いた音量で支えます
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、高揚感を作ります
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと8分420msのディレイを軽く重ね、ベースはサビパッチで音圧を上げます
- 間奏: リードギターのフレーズをルーム系リバーブで軽く広げ、グルーヴを保ったまま余韻を残します
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残して着地します
まとめ
- BPM143のディレイ基準値は8分420ms・付点8分630msです
- 菅田将暉はソロ歌手でツアーごとにサポートメンバーの編成が変わるため、ここでは2024年時点のギタリスト(西田修大)を基準とした1本のパッチ切り替え運用を紹介しました
- 爽やかな疾走感とグルーヴを最優先に、ギターは歪みを溜め込みすぎずリズムの躍動感を殺さないのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は同じ菅田将暉の他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(143)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。