L'Arc-en-Ciel「HONEY」は、BPM182・キーFメジャーの楽曲です。hydeの意図により、シンセや弦の装飾を排し、ギター・ベース・ドラムのみで構成されたあえて簡素なバンドアレンジで作られたことで知られており、結成以来のバンド編成(hyde/ken/tetsuya/yukihiro)によるライブ演奏が定番として続いています。バンド形態での弾いてみた・カバーの実例や市販バンドスコアも複数実在し、実際にギター・ベースを伴うバンド編成で演奏される曲であることが確認できます。この記事では、ギター(ken)のマルチエフェクター設定とマーシャル単体設定、ベース(tetsuya)のマルチエフェクター設定とアンプ(DI)単体設定を、判断基準つきでまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(ken): イントロからAメロ・Bメロを支えるコード主体のカッティング役。BPM182の高速な8ビートでも団子にならない硬さと輪郭が理想です。
- リードギター(ken): サビ・間奏で単音フレーズを差し込む役割。ギター1本の編成なので、リズムからリードへの切り替わりが明確に聴こえる音量差・音色差が基準になります。
- ベース(tetsuya): 高速なテンポを終始キープしながら、装飾を削ぎ落としたシンプルな編成の土台を支える役割。走らず粒立ちのはっきりした音が求められます。
- あえてシンプルにされたバンド編成の意図を尊重し、ミドルを削らず薄い歪みで輪郭をはっきり保つことが音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め〜中程度) → アンプモデル(クランチ)
→ ブースター(リードのみ) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 45〜50%(高速カッティングでも音が団子にならない上限)/ TREBLE 55%(輪郭を保つ範囲)/ MIDDLE 55%(削らない方針)/ BASS 35%(ベースと被らない上限)/ LEVELはボーカルの手前で止まる音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 30〜35%、TONE 50%、LEVEL 45%。BPM182の速いカッティングでも粒立ちが潰れず、コードの分離感が保たれる上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは軽く+LEVELを+3dB程度。サビ・間奏のリードフレーズが高速な8ビートに埋もれず、リズムパートとの切り替わりがはっきり分かる範囲に収めるのが判断基準です
- ディレイブロック: BPM182から算出すると、8分 = 60000÷182 = 約329.7ms、付点8分 = 329.7×1.5 = 約494.5ms。間奏・サビのリードは付点8分494.5msで広がりを作り、リズムは8分329.7msを薄くかけて疾走感を殺さないようにします
- リバーブ方針: ルーム系を浅めにMix 15%程度。シンプルな編成の意図に反して音が滲むようなら深すぎるサインです
- パッチ対比表: kenの単独ギター編成のため、1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等)は下記パッチをセクションごとに切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ(イントロ・Aメロ・Bメロ用) | リードパッチ(サビ・間奏用) |
|---|---|---|
| GAIN | 45% | 50% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/20% |
| リバーブMix | 15% | 20% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 5(カッティングが痩せない下限〜高速リフで団子にならない上限)/ TREBLE 6(輪郭を保つ範囲)/ MIDDLE 6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 5(耳当たりが刺さりすぎない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: 単独ギター編成のため、イントロ・Aメロ・Bメロは手元を軽く抑えて均一なカッティングに徹し、サビ・間奏にかけて弾き込みを強めて音を前に出す、というピッキングの強弱でリズム/リードの役割を切り替えるのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分494.5msの広がりを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏のリードフレーズの抜けが大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは高速な8分のアタックが均一に聴こえる程度、レシオ4:1前後。BPM182の速いピッキングでも、アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 50%(サビでも音が暴れない上限)/ BASS 55%/ LOW-MID 45%(削らない方針)/ HIGH-MID 45%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 30%(刺さらない範囲)/ LEVELはサビで音圧を一段上げる音量が基準。DI+アンプの比率はDI6:アンプ4を起点に、シンプルな編成だからこそ、指弾き・ピック弾きどちらでもアタック感が残る範囲でアンプ側の色を混ぜるのが判断基準です
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビで厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。高速な8ビートで低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ(イントロ・Aメロ・Bメロ) | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | やや強め(粒立ち優先) | 軽め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 6:4 | 5:5 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +2〜3dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4〜5(Aメロで音が痩せない下限〜サビで暴れない上限)/ ULTRA LO 軽め(もたつかない範囲)/ ULTRA HI 軽め(硬くなりすぎない範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: イントロ・Aメロは指弾きで輪郭を保ちながら高速な8ビートを刻み、サビでピック弾き寄りの明瞭なアタックに切り替えると、シンプルな編成のまま疾走感がはっきり強調できます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、高速な8ビートの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと音の安定感が増します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギター(ken)がコード主体のカッティングで曲を提示し、ベース(tetsuya)は高速な8ビートで淡々と土台を作ります
- Aメロ: ギターのゲインを抑えめにし、ベースのコンプはやや強めにして粒立ちを揃え、シンプルな編成の隙間を意識して歌を邪魔しない音量に収めます
- Bメロ: サビに向けてギターのディレイ・リバーブを少しずつ深くし、ベースのコンプも軽めに移行して音圧の上昇を準備します
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターと付点8分494.5msのディレイをONにし、ベースはサビパッチで音圧を上げて疾走感を最大化します
- 間奏: kenがブースターとディレイを保ったまま単音フレーズで前に抜け、ベースは通常パッチに戻して隙間を作ります
- ラスサビ〜アウトロ: 音量・エフェクトともにこの曲で最も深い設定を維持しつつ、シンプルな編成のまま締めくくります
まとめ
- BPM182のディレイ基準値は8分329.7ms・付点8分494.5msです。サビ・間奏のリードには付点8分を、リズムギターは8分寄りを薄くかけるのがコツです
- kenの単独ギター編成のため、宅録・弾いてみたではリズム/リードのパッチ切り替えでセクションごとの役割を表現します
- ベースは通常パッチとサビパッチでコンプ量とDI:アンプ比率を切り替え、シンプルな編成のまま音圧の上下を両立させます
- hydeの意図によるシンセ・弦の装飾を排したバンド編成という前提を尊重し、ミドルを削らず薄い歪みで輪郭を保つのが最大の判断基準です
- 次回は同アーティストの別の代表曲(READY STEADY GOなど)の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(182)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。