GReeeeN「遥か」はBPM84、キーDのミディアムバラードです。2009年発売、映画「ROOKIES-卒業-」主題歌として広く知られる卒業ソングの定番。バンドスコア(フェアリー社、Vocal/Chorus/Piano/Strings/複数のキーボードシンセ/E.G×2/A.G×2/E.Bass/Perc/Drums編成)が現行流通し、ギター&ヴォーカル譜・ピアノソロ譜など多彩な楽譜が出版されています。GReeeeNは素顔を明かさない4人組ボーカルユニットで自身は楽器を演奏せず、ライブでは固定の支援メンバーによるバックバンドを従えます。ギターは高田翼・KOUICHIの2人体制、キーボードはnishi-ken(西田健太郎)で、ピアノ+シンセストリングスが曲の情緒を支える重要な役割を担っています。この記事では2本ギター+キーボードの設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロでアルペジオを丁寧に紡ぐ役割。歪みは薄く、卒業ソングらしい情緒を包む丸みのある質感が理想です。
- リードギター: サビ・間奏でメロディに寄り添うフレーズを担う役割。輪郭ははっきりさせつつ、歌とピアノの主役を奪わない伸びを狙います。
- ベース: ミディアムテンポで曲の芯を丁寧に支える役割。粒立ちを保ちながらサビでしっかり前に出ます。
- キーボード: ピアノ+シンセストリングスが曲全体の情緒を支える役割です。ギター・ボーカルと帯域が被らない広がりのある質感が理想です。
- バンドで2人ギターがいる場合: GReeeeNの実際のサポートバンドもギター2人体制(高田翼/KOUICHI)です。ギター1は曲を通してリズム担当、ギター2は曲を通してリード担当という役割固定にし、2本を同時に鳴らして分解を作ります。
- 1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等): セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を1人で再現します。
- 歪みで押し切らず、ピアノ+ストリングスと歌の情緒を最優先に残すのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め・使う場合のみ) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 22%(アルペジオの粒が潰れない上限)/ TREBLE 48%(耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 55%(削らない方針)/ BASS 40%(ベース・キーボードと被らない上限)/ LEVELは歌とピアノを邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック(使う場合のみ): TS系、GAIN 12%、TONE 46%、LEVEL 46%。アルペジオの一音一音が団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。フレーズだけを前に出し、歪み感が変わったらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM84から算出すると、8分 = 60000÷84 ≒ 714ms、付点8分 = 714×1.5 ≒ 1071ms。リズムは8分714msを薄く、リードは付点8分1071msでサビ・間奏のフレーズに余韻を出します
- リバーブ方針: ホール系を薄めにMix 22%程度。リード時は30%前後まで上げ、ピアノ・ストリングスと共鳴するような奥行きを足します
- パッチ対比表: バンドで2人ギターがいる場合は、ギター1・ギター2がそれぞれ下記のパッチを曲を通して同時に鳴らし続けます。1人で両方を担当する場合は、この2パッチをセクションごとに切り替えて使ってください
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/1人の場合は基本パッチ) | リードパッチ(ギター2/1人の場合はサビ等で切替) |
|---|---|---|
| GAIN | 22% | 28% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/22% |
| リバーブMix | 22% | 30% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3(アルペジオの粒立ちが潰れない上限)/ TREBLE 5(刺さらない範囲)/ MIDDLE 6(削らない)/ BASS 4(ベース・キーボードと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: Aメロ・Bメロは手元を絞って歌とピアノを支え、サビ・間奏はやや強めに弾き込んでフレーズを浮き立たせるのが基本です(2人編成なら高田=終始丁寧なアルペジオ、KOUICHI=サビで前に出るリード)
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分1071msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の余韻が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは指弾きのニュアンス差を潰さない程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 30%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 48%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 34%(ギター・キーボードと被らない上限)/ TREBLE 26%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌とピアノを邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 基本は指弾きで丸く支え、サビのみ軽くピックに持ち替えてアタックを足す程度に留めます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、指弾きの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
⑤キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ: 生ピアノ系+シンセストリングス系。イントロ・サビで単独で聴こえる情緒があるかが選定の判断基準です
- EQ方針: 250〜500Hz付近をギター・ベースと被らない範囲でわずかにカット。バンド全体で音の隙間があるかを耳で確認しながら削るのが基準です
- 空間系: BPM84から8分714ms・付点8分1071ms。イントロ・サビのフレーズには付点8分1071msを薄くMixし、Aメロ・Bメロの伴奏部分はディレイを絞ってコード感を優先します
- セクションごとの運用: イントロはピアノを主役に音量を上げ、Aメロ・Bメロはストリングス系を伴奏に回して絞り、サビは再び前に出して曲の情緒を強調します
セクション別の組み立て
- イントロ: キーボードのピアノフレーズを主役に、ギターはリズムパッチで音量を抑えます
- Aメロ・Bメロ: ギター(高田)は歌伴奏のアルペジオ中心、キーボードは伴奏に回り、ベースはサビに向け少しずつ密度を増やします
- サビ: ギターはリードパッチ(KOUICHI)に切り替えブースターと付点8分1071msのディレイをONにし、ベースはサビパッチで音圧を上げ、キーボードは再びピアノ+ストリングスを前に出します
- 間奏: キーボードのフレーズとリードギターを絡ませ、卒業ソングらしい高揚感を作ります
- アウトロ: 音数を減らし、リバーブとピアノの余韻だけを残して静かに着地します
まとめ
- BPM84のディレイ基準値は8分714ms・付点8分1071msです
- GReeeeNは楽器を演奏しないボーカルユニットのため、ギター2人体制(高田翼/KOUICHI)+キーボード(nishi-ken)の実在サポートバンド編成を前提に音作りを解説しました
- ピアノ+シンセストリングスの情緒を歪みで潰さないのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は同じGReeeeNの「道」の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(84)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。