マカロニえんぴつ「ハッピーエンドへの期待は」は、BPM148(曲後半の2分28秒以降はBPM81に変化)・キーDメジャー周辺の楽曲です。メジャー1作目のオリジナルアルバムに収録され、映画「明け方の若者たち」の主題歌としても知られています。エレキギターのリードパート譜・バッキングパート譜がそれぞれ単独で販売されるほど各パートの輪郭がはっきりしたバンド曲で、エレキベースのタブ譜+五線譜による弾いてみたカバー動画も実在します。マカロニえんぴつはギター(はっとり・田辺由明)、ベース(高野賢也)の実在4人編成バンドで、この記事ではギター2本のマルチエフェクター設定とマーシャル単体設定、そしてベース(高野賢也)の設定を判断基準つきでまとめました。セクションごとに拍子・テンポが変化する構成なので、あらかじめ全体像を把握したうえで設定を切り替えるのがこの曲のポイントです。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(はっとり): 前半の速いテンポでコードカッティングを刻む役割。歪みは薄く、テンポの速さに負けない歯切れの良さが理想です。
- リードギター(田辺由明): 間奏のギターソロや後半のスローテンポ部分で感情の高まりを表現するフレーズを重ねる役割。ギター2本編成なので、リズムとリードが同時に鳴る前提でお互いの帯域を譲り合うのが基準になります。
- ベース(高野賢也): テンポの変化に対応しながら曲全体の低音の土台を支える役割。走らず沈み込みすぎない安定感が求められます。
- テンポが148から81へと大きく変化する構成を保ちながら、2本のギターとベースがそれぞれの役割を譲り合って輪郭をぼやけさせないのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め) → アンプモデル(クリーン〜クランチ)
→ ブースター(リードのみ) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 25〜30%(速いカッティングの粒立ちが潰れない上限)/ TREBLE 55%(耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 50%(削らない方針)/ BASS 35%(ベースの低域と被らない上限)/ LEVELは歌より一段控えめな音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 15〜20%、TONE 50%、LEVEL 50%。歪みが速いカッティングの輪郭を潰さない上限が判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+2dB程度。間奏のギターソロが歌を食わない範囲に収めるのが判断基準です
- ディレイブロック: 前半BPM148では8分 = 60000÷148 = 約405.4ms、付点8分 = 405.4×1.5 = 約608.1ms。後半BPM81に落ちる部分では8分 = 60000÷81 = 約740.7ms、付点8分 = 740.7×1.5 = 約1111.1ms。前半の速いパートには8分405.4msを薄くタップし、後半のスローパートでは付点8分1111.1msで大きく余韻を持たせます
- リバーブ方針: プレート系を浅めにMix 12%程度(前半)。後半のスローパートではMix 20%程度まで深めても歌の輪郭を飲み込まない範囲であれば問題ありません
- パッチ対比表: マカロニえんぴつはギター2本編成(はっとり・田辺由明)のため、バンドで2人ギターがいる場合はギター1(はっとり)を曲を通してリズム担当、ギター2(田辺由明)を曲を通してリード担当という役割固定で同時運用します。1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等)は下記パッチをセクションごとに切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ(ギター1用/前半の速いパート) | リードパッチ(ギター2用/間奏・後半スローパート) |
|---|---|---|
| GAIN | 25% | 35% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分(405.4ms)/6% | 付点8分(1111.1ms)/16% |
| リバーブMix | 10% | 20% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3(速いカッティングの粒立ちが潰れない上限)/ TREBLE 5(耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4(硬くなりすぎない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: 前半の速いパートは手首を柔らかく使ってカッティングの歯切れを保ち、間奏・後半のスローパートでは弾き込みを強めてフレーズを前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、後半の付点8分1111.1msの余韻を再現できる空間系ペダルを1台足すと、スローパートの広がりが大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは前半の速い8分の粒が均一に聴こえる程度、レシオ4:1前後(速いテンポなのでやや強め)。後半のスローパートではレシオ3:1程度に緩め、アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(速いラインでも音が痩せない上限)/ BASS 55%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 25%(刺さらない範囲)/ LEVELは曲全体を通して一定の音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、テンポが変化しても粒立ちが残る範囲でアンプ側の色を混ぜるのが判断基準です
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFF。前半の速いパートでほんの少しだけ厚みを足したい時のみ軽くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ(前半の速いパート) | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | やや強め(粒立ち優先) | 軽め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | ごく薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4(速いラインでも音が痩せない下限〜サビで暴れない上限)/ ULTRA LO 軽め(もたつかない範囲)/ ULTRA HI 軽め(硬くなりすぎない範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 前半の速いパートは指弾きで丸みのあるグルーヴを保ち、後半のスローパートではほんの少しピック寄りの弾き方に近づけると音圧差がはっきり作れます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、テンポ変化に応じた粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと安定感が増します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギター(はっとり)の速いカッティングを主役に、リードギター(田辺由明)は音量を抑えて添える程度にとどめます
- 前半(BPM148区間): 歌の邪魔をしないようリズムギターは音量を絞り、ベース(高野賢也)は指弾きで速いラインの粒立ちを整えます
- 間奏: リードギター(田辺由明)のギターソロを前に出し、リズムギターとベースは余白を潰さないよう音量バランスを耳で確認します
- 後半(2分28秒以降・BPM81区間): テンポが大きく落ちるため、ディレイのタップ値を8分740.7ms・付点8分1111.1msに切り替え、リバーブも深めにしてスローパートの余韻を作ります
- ラストパート: 音量・エフェクトともにこの曲で最も開放的な設定を維持しつつ、テンポの変化に対応しながら着地します
まとめ
- 前半BPM148のディレイ基準値は8分405.4ms・付点8分608.1ms、後半BPM81では8分740.7ms・付点8分1111.1msです
- ギター2本編成(はっとり・田辺由明)のバンドではリズム/リードの役割固定、宅録ではパッチ切り替えで運用します
- 曲の途中でテンポが148から81へ大きく変化する構成を把握し、ディレイ・リバーブのタップ値を切り替えるのがこの曲最大の判断基準です
- ベースはテンポ変化に応じてコンプのレシオを調整するのが実践的です
- 次回は同アーティストの別の代表曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
この曲の設定を試聴する
DELAYはこの曲のBPM(148)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。