米津玄師「灰色と青(+菅田将暉)」は、BPM81・キーEメジャーの楽曲です。2017年発売のアルバム「BOOTLEG」収録曲で菅田将暉をゲストボーカルに迎えた楽曲として知られ、公式バンドスコアにもボーカル/コーラス/キーボード3本/エレキギター2本/アコースティックギター/エレキベース/ドラムという編成が明記される、実在のバンド演奏を前提とした定番曲です。ギター・ベースそれぞれの弾いてみた・TAB解説動画も多数実在し、ペダルトーンを含むエレキギターのアルペジオが曲の核となる、静かな余韻を大切にしたミドルテンポのロックバラードとして知られています。米津玄師のライブは中島宏士(Gt)・須藤優(Ba)・宮川純(Key)を含む固定サポートメンバーによるバンド編成で行われており、この記事ではギター(中島宏士)のマルチエフェクター設定とマーシャル単体設定、ベース(須藤優)の設定を判断基準つきでまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(中島宏士): Aメロ・Bメロで曲の核となるアルペジオを丁寧に紡ぐ役割。歪みはごく薄く、一音一音の余韻がはっきり聴こえる粒立ちが理想です。
- リードギター(中島宏士): サビ・間奏でコードストロークと装飾フレーズを重ねる役割。ギター1本の編成なので、リズムとの切り替わりがゲイン量とディレイの深さの差ではっきり聴き分けられることが基準になります。
- ベース(須藤優): 曲全体を通して落ち着いた4分・8分主体のラインで低音の土台を支える役割。走らず沈み込みすぎない安定感が求められます。
- アルペジオの一音一音の余韻を大切にしながら、ギター・ベースの輪郭をぼやけさせないのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め) → アンプモデル(クリーン)
→ ブースター(リードのみ) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 20〜25%(アルペジオの粒が潰れない上限)/ TREBLE 50%(耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 55%(削らない方針)/ BASS 35%(ベースの低域と被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない程度が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 10〜15%、TONE 50%、LEVEL 50%。歪みがアルペジオの一音一音の分離感を邪魔しない上限が判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+2dB程度。サビのコードストロークが前に出すぎて歌を食わない範囲に収めるのが判断基準です
- ディレイブロック: BPM81から算出すると、8分 = 60000÷81 = 約740.7ms、付点8分 = 740.7×1.5 = 約1111.1ms。アルペジオには8分740.7msを薄くタップして余韻を保ち、サビのストロークには付点8分1111.1msで広がりを持たせます
- リバーブ方針: プレート系を浅めにMix 15%程度。残響がアルペジオの一音一音を飲み込み始めたら深すぎるサインです
- パッチ対比表: 中島宏士の単独ギター編成のため、1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等)は下記パッチをセクションごとに切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ(Aメロ・Bメロ用) | リードパッチ(サビ・間奏用) |
|---|---|---|
| GAIN | 20% | 30% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/18% |
| リバーブMix | 12% | 18% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 2(アルペジオの粒が潰れない上限)/ TREBLE 5(耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4(硬くなりすぎない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: Aメロ・Bメロは指先で丁寧にアルペジオを紡ぎ、サビ・間奏では弾き込みを強めてストロークの厚みを出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分1111.1msの余韻を再現できる空間系ペダルを1台足すと、アルペジオの一音一音の広がりが大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは4分・8分の粒が均一に聴こえる程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(落ち着いたラインでも音が痩せない上限)/ BASS 55%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギターのアルペジオと被らない上限)/ TREBLE 25%(刺さらない範囲)/ LEVELは曲全体を通して一定の音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、静かなパートでもアタック感が残る範囲でアンプ側の色を混ぜるのが判断基準です
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFF。サビでほんの少しだけ厚みを足したい時のみ軽くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ(Aメロ・Bメロ) | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | やや強め(粒立ち優先) | 軽め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | ごく薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4(落ち着いたラインでも音が痩せない下限〜サビで暴れない上限)/ ULTRA LO 軽め(もたつかない範囲)/ ULTRA HI 軽め(硬くなりすぎない範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 曲を通して指弾きで丸みのある音を保ち、サビでほんの少しピック寄りの弾き方に近づけると音圧差がはっきり作れます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、落ち着いたラインの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと安定感が増します
セクション別の組み立て
- イントロ: ギター(中島宏士)はリズムパッチでアルペジオの一音一音を丁寧に紡ぎ、ベース(須藤優)は指弾きで静かなラインの粒立ちを整えます
- Aメロ: 歌を邪魔しないようリズムギターは音量を絞り、ベースは通常パッチで落ち着いたコンプ量を保ちます
- Bメロ: サビに向けディレイMixとリバーブを少しずつ深くし、ベースのコンプもやや軽めに移行して音圧の上昇を準備します
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターと付点8分1111.1msのディレイをONにし、ストロークで厚みを出しつつ、ベースはサビパッチで音圧を少し上げます
- 間奏: リードギターの装飾フレーズを主役に、ベースは推進力を保ちながら粒立ちを崩さないよう耳で確認します
- ラスサビ〜アウトロ: 音量・エフェクトともにこの曲で最も開放的な設定を維持しつつ、アルペジオの余韻を最後まで保ったまま着地します
まとめ
- BPM81のディレイ基準値は8分740.7ms・付点8分1111.1msです
- 中島宏士の単独ギター編成のため、宅録・弾いてみたではリズム/リードのパッチ切り替えでセクションごとの役割を表現します
- 曲の核となるアルペジオの一音一音の余韻を大切にしながら、各パートの輪郭をはっきりさせるのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は同アーティストの別の代表曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(81)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。