Saucy Dog「コンタクトケース」はBPM78、キーF♯メジャーの失恋の情景をしみじみと描くバラードナンバーです。2018年発売の2ndミニアルバム「サラダデイズ」収録曲で、YouTube MVは1896万回再生を突破しているバンドの代表的な人気曲です。バンドスコア(from68提供、Vo/Gt(TAB)/Bass(TAB)/Dr編成、11ページ)がPiascore等から現行流通し、ギター弾き語り(入門〜中級)・ウクレレ弾き語り・ベースTAB(五線譜付き)も豊富に存在します。Saucy Dogは石原慎也(Vo/Gt)・秋澤和貴(Ba)・惣田健吾(Dr)の3人組で、キーボード奏者はいないバンド編成です。この記事では単独ギター前提で、ギター・ベースの設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロで日用品に残る相手の気配をなぞるようなアルペジオ/カッティングで歌を支える役割。歪みは薄めに留め、しみじみとした質感を残します。
- リードギター: サビ・間奏でメロディに寄り添う役割。歪みを増やすのではなく、ブーストで前に出す形で輪郭を保ちます。
- ベース: しっとりとしたテンポで曲の芯を丁寧に支える役割。粒立ちを保ちながらサビでしっかり前に出ます。
- 失恋後も続く日常のリアルさを壊さないよう、ギターは歪みを溜め込みすぎず歌の余韻を邪魔しないのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 23%(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 47%(しみじみとした質感を保つ範囲)/ MIDDLE 54%(削らない方針)/ BASS 37%(ベースの低域と被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 11%、TONE 47%、LEVEL 46%。「しみじみとした日常の質感を保つ」程度に留めるのが判断基準で、これを超えると曲のリアルな手触りが崩れます
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。歪み量を増やさず音量と輪郭だけを前に出すのが目的で、ゲインが上がったと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM78から算出すると、8分 = 60000÷78 ≒ 769ms、付点8分 = 769×1.5 ≒ 1154ms。リズムはディレイを薄く抑えてアルペジオの輪郭を優先し、リードはサビ・間奏のフレーズで付点8分1154msを軽く重ねてしみじみとした余韻を作ります
- リバーブ方針: ホール系を中程度にMix 33%程度。しっとりとした広がりを作りつつ、アタックがぼやけない範囲に留めます
- パッチ対比表: ギター1本の編成のため、セクションごとに下記パッチを切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ(サビ・間奏で切替) |
|---|---|---|
| GAIN | 23% | 29% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/23% |
| リバーブMix | 33% | 37% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 2(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 4(しみじみとした質感を保つ範囲)/ MIDDLE 6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 3(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: Aメロ・Bメロは手元を軽く絞って歌を立てるように弾き、サビ・間奏は少し強めに弾き込んでフレーズの輪郭を前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分1154msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏のしみじみとした余韻が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは8分の粒が揃う程度、レシオ3:1前後。バラード曲は音量の起伏が耳に付きやすいため、アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 28%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 47%/ LOW-MID 51%(削らない方針)/ HIGH-MID 33%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 26%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI6:アンプ4を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 6:4 | 5:5 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 基本は指弾きでしっとりとルートを刻み、サビでピックに持ち替えて音圧を足す使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、8分の粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムパッチで音量を抑え、しみじみとしたアルペジオで曲の輪郭を提示します
- Aメロ: 歌を邪魔しないようリズムパッチのゲインを絞り、ベースは丁寧な粒立ちで下支えします
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、切ない高揚感を作ります
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと付点8分1154msのディレイを軽く重ね、ベースはサビパッチで音圧を上げます
- 間奏: リードギターのフレーズを前に出し、ホール系リバーブの広がりで余韻を作ります
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残ししみじみと着地します
まとめ
- BPM78のディレイ基準値は8分769ms・付点8分1154msです(データベースによっては倍テンポの155と表記されるが、バラードとしての原曲の質感からハーフテンポの78を採用)
- Saucy Dogはキーボード奏者不在の3人組バンドのため、ギター・ベースの2パート構成で音作りを解説しました
- 「失恋後も続く日常のリアルさ」を活かすため、歪みを溜め込みすぎないのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は同じSaucy Dogの他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(78)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。