嵐「A・RA・SHI」は1999年のデビュー曲で、序盤から1分40秒付近まではBPM118(キーF♯マイナー)のディスコ調のグルーヴで進み、後半でBPM127前後まで加速する複数テンポの構成が特徴です。ギターコード譜・バンドスコア(本来2本のエレキギターパートを含む編成)・弾いてみたタブ譜が豊富に流通する定番曲で、宍倉聖悟・江渡大悟という実在の2人ギタリストを含むマウントブラストが長年のツアーで生演奏を担当しています。この記事では主に序盤〜中盤で使われるBPM118を基準に、2本ギター編成のバンドサウンドを再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。テンポが加速するセクションでは、下記のディレイ値をタップテンポで随時追従させてください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロ・サビを通してディスコ調の8分カッティングでグルーヴを支える役割。歪みは中程度に留め、疾走感のあるエッジを出します。
- リードギター: サビ・間奏でフレーズを彩る役割。歪みを増やすのではなく、ブーストで前に出す形で輪郭を保ちます。
- ベース: ディスコ調のグルーヴを支える役割。ルートを軸に8分でしっかり刻み、テンポが上がる後半でも走らないよう安定させます。
- バンドで2人ギターがいる場合: マウントブラストの宍倉聖悟・江渡大悟という実在の2人ギター編成であり、また原曲自体も本来2本のエレキギターが重なる編成のため、ギター1は曲を通してリズム担当、ギター2は曲を通してリード担当という役割固定で2本を同時に鳴らします。
- 1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等): セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を1人で再現します。
- テンポが加速する構成のため、走らず粒立ちを保つことを最優先に残すのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(中程度) → アンプモデル(クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 30〜35%(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 55%(ディスコ調のエッジを出す範囲)/ MIDDLE 50%(削らない方針)/ BASS 40%(ベースと被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 20〜25%、TONE 50%、LEVEL 55%。コードの粒が団子にならない上限まで上げるのが判断基準で、これを超えるとテンポアップ時に走って聴こえやすくなります
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。歪み量を増やさず音量と輪郭だけを前に出すのが目的で、ゲインが上がったと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM118から算出すると、8分 = 60000÷118 ≒ 508ms、付点8分 = 508×1.5 ≒ 762ms。リズムは8分508msを薄くタップし、リードはサビ・間奏のフレーズで付点8分762msを軽く重ねて余韻を作ります。後半のテンポアップ区間ではタップテンポで追従させるのが判断基準です
- リバーブ方針: ルーム系を薄めにMix 25%程度。ディスコ調のグルーヴを濁らせないよう、深すぎるホール系は避けます
- パッチ対比表: バンドで2人ギターがいる場合は、ギター1・ギター2がそれぞれ下記のパッチを曲を通して同時に鳴らし続けます。1人で両方を担当する場合は、この2パッチをセクションごとに切り替えて使ってください
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/宍倉用) | リードパッチ(ギター2/江渡用) |
|---|---|---|
| GAIN | 30% | 33% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/20% |
| リバーブMix | 25% | 30% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3〜4(分離感が残る上限)/ TREBLE 6(ディスコ調のエッジを出す範囲)/ MIDDLE 5(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4〜5(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは手元を軽く絞ってタイトに、サビ・間奏は強めに弾き込んでフレーズの輪郭を前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分762msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の余韻が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドはディスコ調の弾力あるグルーヴを潰さない程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(グルーヴ優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3〜4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: Aメロ・Bメロは指弾きでディスコ調のグルーヴを出し、サビでピックに持ち替えて音圧を足す使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、テンポアップ時に走らないようグルーヴの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムパッチのギターでディスコ調の土台を作り、ベースは8分で安定して刻みます
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムパッチのゲインを絞り、ベースは粒立ちを優先して走らないよう安定させます
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、疾走感を作ります
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと付点8分762msのディレイを軽く重ね、ベースはサビパッチで音圧を上げます。テンポが加速する箇所ではディレイをタップテンポで追従させます
- 間奏: リードギターのフレーズを前に出し、ドライ寄りのルームリバーブで余韻を残します
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残して着地します
まとめ
- 序盤〜中盤のBPM118のディレイ基準値は8分508ms・付点8分762msです(後半のテンポアップ区間はタップテンポで追従)
- マウントブラストの宍倉聖悟・江渡大悟という実在2人ギター編成のため、バンドは2本同時運用、1人なら切り替え運用で対応します
- テンポが変化する構成のため、走らず粒立ちを保つのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は同じ嵐の他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(118)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。