SEKAI NO OWARI「ANTI-HERO」はBPM105、キーFマイナーの重厚感あるミドルテンポのロックナンバーです。2015年7月発売、8thメジャーシングルとして映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」(三浦春馬主演)の主題歌に起用された楽曲です。U-FRETのギターコード・コード進行分析サイトに加え、Piascoreではギター弾き語り(入門〜初級)・エレキギター・エレキベース・ドラム(中級)・ピアノソロ(中級・上級)・ピアノ&ヴォーカル譜まで全パートの楽譜が揃うほど、バンドでの再現需要が高い曲です。ピアノソロ譜が中級・上級と複数レベルで出版されており、キーボードのフレーズが伴奏に埋もれず独立して聴こえる曲でもあります。SEKAI NO OWARIは現在もギタリストがNakajin1人であるため、この記事では単独ギター前提で、キーボード(Saori)とあわせた設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロ・サビを通してストロークで重厚感を支える役割。歪みはやや強めに留め、映画主題歌にふさわしい緊張感のある質感が理想です。
- リードギター: サビ・間奏でフレーズを彩る役割。歪みを増やすのではなく、ブーストで前に出す形で輪郭を保ちます。
- ベース: 8分主体でルートを力強く刻み、重厚感の土台を支える役割。粒立ちを保ちながらサビでしっかり前に出ます。
- キーボード: ピアノソロ譜が複数レベルで出版されるほど独立して聴こえるパートで、コード感と物語性を支えながらサビでは厚みを増します。
- 重厚感と緊張感を最優先に、ギターは歪みを溜め込みすぎずキーボードのフレーズを邪魔しないのがこの曲の音作りの軸です。
①ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(やや強め) → アンプモデル(クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 40%(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 52%(緊張感の明るさを出しつつ耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 48%(削りすぎない方針)/ BASS 36%(ベース・キーボードの低域と被らない上限)/ LEVELはキーボードを邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 26%、TONE 50%、LEVEL 50%。「重厚感を支える」程度に留めるのが判断基準で、これを超えるとキーボードのフレーズが埋もれます
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。歪み量を増やさず音量と輪郭だけを前に出すのが目的で、ゲインが上がったと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM105から算出すると、8分 = 60000÷105 ≒ 571ms、付点8分 = 571×1.5 ≒ 857ms。リズムはディレイを薄く抑えてストロークの輪郭を優先し、リードはサビ・間奏のフレーズで付点8分857msを軽く重ねて重厚感のある余韻を作ります
- リバーブ方針: ホール系を中程度にMix 32%程度。重厚感を支える広がりを作りつつ、アタックがぼやけない範囲に留めます
- パッチ対比表: ギター1本の編成のため、セクションごとに下記パッチを切り替える運用が基本です
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ(サビ・間奏で切替) |
|---|---|---|
| GAIN | 40% | 46% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/20% |
| リバーブMix | 32% | 36% |
②ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4〜5(コードの分離感が残る上限)/ TREBLE 5(緊張感の明るさを出す範囲)/ MIDDLE 4〜5(削りすぎない)/ BASS 4(ベース・キーボードと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開の作り方: Aメロ・Bメロは手元をやや絞ってキーボードを立てるように弾き、サビ・間奏は強めに弾き込んでストロークの輪郭を前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分857msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の重厚感のある余韻が大きく変わります
③ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは8分の粒が揃う程度、レシオ3.5:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 48%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 37%(ギター・キーボードと被らない上限)/ TREBLE 31%(刺さらない範囲)/ LEVELはキーボードを邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI6:アンプ4を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 6:4 | 5:5 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI 軽め(輪郭を出す範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: 基本は指弾きで力強くルートを刻み、サビでピックに持ち替えて音圧を足す使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、8分の粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
⑤キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ: アコースティックピアノ系でコード感と物語性を支えつつ、サビではパッド系シンセで厚みを足します。ピアノフレーズ単体でも曲だと認識できるほど独立して聴こえるかが選定の判断基準で、実際にピアノソロ譜が中級・上級と複数レベルで出版されている点も裏付けになります
- EQ方針: 250〜500Hz付近をギター・ベースと被らない範囲でわずかにカットし、ピアノの高域アタックとパッドの厚みは残します。バンド全体で音の隙間があるかを耳で確認しながら削るのが基準です
- 空間系: BPM105から8分571ms・付点8分857ms。ピアノのフレーズには8分571msを薄くMixして輪郭を保ち、サビのパッドには付点8分857msで奥行きを足します
- セクションごとの運用: イントロ・Aメロ・Bメロはピアノでコード感を支えて音量を絞り、サビはパッドを重ねて重厚感を最大化しつつピアノのフレーズ感も残します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギターのストロークとキーボードのピアノで曲の骨格を提示し、ベースは8分で力強く土台を作ります
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムパッチのゲインを絞り、ベースはキーボードの動きを支える丁寧な粒立ちを優先します
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、緊張感を高めます
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと付点8分857msのディレイを軽く重ね、ベースはサビパッチで音圧を上げ、キーボードもパッドを前に出して重厚感を強調します
- 間奏: リードギターのフレーズとキーボードのピアノフレーズを絡ませ、ホール系リバーブで広がりを作ります
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残して重厚感を保ったまま着地します
まとめ
- BPM105のディレイ基準値は8分571ms・付点8分857msです
- SEKAI NO OWARIは現在もギタリストがNakajin1人のため、単独ギターのパッチ切り替え運用を紹介しました
- 重厚感と緊張感を最優先に、ギターは歪みを溜め込みすぎずキーボードのフレーズを邪魔しないのがこの曲最大の判断基準です
- ピアノソロ譜が複数レベルで出版されるほど独立したキーボードパートを主役級に扱うのがこの曲の判断基準の一つです
- 次回は同じSEKAI NO OWARIの他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。
試聴シミュレーター
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DELAYはこの曲のBPM(105)から計算した8分音符の値を初期反映しています。GAIN/TREBLE/MIDDLE/BASSは一般的な目安値です。曲ごとの正確な設定値・判断基準は本文の①〜④セクションを確認してください。実録音ではなくWeb Audio APIによる合成音源です(NOTICE.md参照)。