BUMP OF CHICKEN「天体観測」はBPM165、キーはD♭メジャーの疾走感あるロックナンバーです。原曲はギター2人(藤原基央/増川弘明)の4人編成バンドで、バンドスコアや弾いてみた動画も豊富です。この記事では2人ギター・1人編成の両方に対応した設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: 8分カッティングで曲を前に進める役割。半音下げの低域を残しつつ輪郭を潰さない質感が理想です。
- リードギター: イントロのオクターブ/スライドで歌うようなフレーズと間奏を担う役割。強く歪ませず輪郭がはっきり聴こえる伸びを狙います。
- ベース: ルートに留まらずギターに絡んで動く役割。粒立ちを保ちつつサビで音圧を上げ疾走感を後押しします。
- 2人ギターの場合: 原曲どおりギター1がリズム、ギター2がリードの役割固定で、2本を同時に鳴らします。
- 1人で担当する場合: セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を再現します。
- 強く歪ませずコードやフレーズの輪郭を残す ― この曲の音作り全体を貫く基本方針です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(TS系) → アンプモデル(Marshall系クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 40〜45%(輪郭が潰れない上限)/ TREBLE 55〜60%(刺さらない上限)/ MIDDLE 55〜60%(削らない方針)/ BASS 45〜50%(半音下げの低域とベースが喧嘩しない上限)/ LEVEL はバンド内で埋もれない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 25〜30%、TONE 50%、LEVEL 50%。強く歪ませすぎず、和音の輪郭が濁らない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3〜4dB。イントロ・間奏のフレーズだけを前に出し、歪み感が変わったらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM165から、8分 = 60000÷165 ≈ 364ms、付点8分 = 60000÷165×1.5 ≈ 545ms。リズムは8分364msを薄くタップ、リードは付点8分545msでオクターブフレーズに広がりを出します
- リバーブ方針: ホール系を薄めにMix 15〜20%。イントロ・間奏のリードのみ25%前後まで上げます
- リズム/リードのパッチ対比表: 2人ギターの場合はギター1・ギター2が下記を同時に鳴らし続け、1人の場合はセクションごとに切り替えます
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/1人の場合は基本パッチ) | リードパッチ(ギター2/1人の場合はサビ・間奏で切替) |
|---|---|---|
| GAIN | 40% | 45% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/25% |
| リバーブMix | 15% | 20〜25% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4〜5(輪郭が潰れない上限)/ TREBLE 5〜6(刺さらない範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4〜5(半音下げの低域とベースが被らない上限)/ PRESENCE 5(耳が痛くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは弱め、イントロ・間奏・サビは強めに弾き込みリードを前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: ディレイ・リバーブが無いため、付点8分545msを再現できる空間系ペダルを1台足すとイントロ・間奏の伸びが変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは細かい動きのニュアンスを潰さない程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35〜40%(潰れない上限)/ BASS 50〜55%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 45%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 35〜40%(刺さらない範囲)/ LEVEL はギターに埋もれない音量が基準。DI+アンプのブレンド比率は粒立ちが残る範囲で色を混ぜるのが判断基準で、DI7:アンプ3から耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(基本OFF): サビのみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭が団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI 軽め(アタックが埋もれない程度)/ BASS 5〜6/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: Aメロは指弾きで丸く、サビ・間奏はピック弾きに切り替えアタックと音圧を上げるのが基本です
- 足りない機能への対処: コンプの細かい調整ができないため、動きの多いフレーズの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リードパッチのオクターブフレーズにブースターとディレイ(付点8分545ms)をON。ベースは通常パッチで音数を抑えます
- Aメロ/Bメロ: ギターはリズムパッチでゲインを抑え、クリーンアルペジオに向けディレイMixは段階的に上げます。ベースは指弾き寄りの丸い音圧からコンプ量を少しずつ上げます
- サビ: ギターはリードパッチでブースターとディレイをON、ベースはサビパッチで音圧を上げます
- 間奏: リードパッチのオクターブ/スライドフレーズを強調、ベースは通常パッチに戻します
- アウトロ: 音数を減らしリバーブだけを残し、ベースは通常パッチで着地します
まとめ
- BPM165のディレイ基準値は8分364ms・付点8分545msです
- 強く歪ませずコードやフレーズの輪郭を残すのがこの曲の軸です
- ギターは2人編成の役割固定/1人編成のパッチ切替、ベースは通常/サビパッチで展開を作ります
- 次回は「怪獣の花唄」(Vaundy)の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。