back number「高嶺の花子さん」はBPM138(資料によっては135前後と表記される場合あり)、キーはAの切ない片思いを描くミドルテンポ曲です。原曲はギター1本(清水依与吏)・ベース(小島和也)・ドラム(栗原寿)の3人編成バンドで制作されており、バンドスコアや弾いてみた動画も豊富に流通しています。この記事ではマルチエフェクターとマーシャル単体それぞれで、このバンドサウンドを再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロを支えるコードストロークとカッティングの役割。歌に寄り添う温かみのある質感を保ち、歪みは薄くコードの余韻を残すのが理想です。
- リードギター: イントロや間奏で歌うようなオブリガード・単音フレーズを担う役割。派手なソロではなく、輪郭のはっきりした素直な伸びを狙います。
- ベース: ルートを軸に太く温かい低音を支える役割。粒立ちを保ちながら、サビでわずかに存在感を増します。
- 強く歪ませず、歌とコードの余韻を最優先に残すのがこの曲の音作りの軸です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め・使う場合のみ) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(オブリのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 20〜25%(コードの余韻が潰れない上限)/ TREBLE 55%(耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 55〜60%(削らない方針)/ BASS 45%(ベースと帯域が被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック(使う場合のみ): TS系、GAIN 15〜20%、TONE 50%、LEVEL 50%。カッティングの一音一音が団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(オブリのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。オブリガードだけを前に出し、歪み感が変わったらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM138(資料により135前後の場合あり)から算出すると、8分 = 60000÷138 ≒ 435ms、付点8分 = 60000÷138×1.5 ≒ 652ms。リズムは8分435msを薄くタップし歌の邪魔をせず、オブリは付点8分652msでフレーズに余韻を出します
- リバーブ方針: ホール系を薄めにMix 18%程度。オブリ時のみ25%前後まで上げ、切なさを補強する奥行きを足します
- パッチ対比表: 原曲は清水依与吏1人がリズム/リードを兼任するため、下記2パッチをセクションごとに切り替えて使用します
| 項目 | リズムパッチ(Aメロ・Bメロ用) | リードパッチ(イントロ・間奏オブリ用) |
|---|---|---|
| GAIN | 20% | 25% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/20% |
| リバーブMix | 18% | 25% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3(コードの余韻が潰れない上限)/ TREBLE 5〜6(刺さらない範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは手元を絞って弱めに歌を支え、イントロ・間奏・サビは強めに弾き込んでオブリを浮き立たせるのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分652msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、間奏オブリの余韻が大きく変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは指弾きのニュアンス差を潰さない程度、レシオ3:1前後。太く温かい低音を保ちつつアタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50〜55%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギターと帯域が被らない上限)/ TREBLE 30%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きの温かみが残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: 基本は指弾きで太く温かく前に出し、サビのみ軽くピックに持ち替えてアタックを足す程度に留めます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、指弾きの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リードパッチのオブリガードを主役に、ベースは音数を抑えて土台を作ります
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムパッチのゲインを最小に絞り、ベースは粒立ちを優先します
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、期待感を作ります
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと付点8分652msのディレイをONにし、ベースはサビパッチでコンプと音圧を上げて曲を押し出します
- 落ちサビ/アウトロ: 音数を減らし、リバーブとディレイの余韻だけを残して着地します
まとめ
- BPM138(資料により135前後の表記あり)のディレイ基準値は8分435ms・付点8分652msです
- 原曲は清水依与吏1人によるギター編成のため、セクションごとのパッチ切り替えで対応します
- 歌とコードの余韻を潰さないクリーン〜薄クランチが、この曲最大の判断基準です
- 次回は同じback numberの他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。