YUI「SUMMER SONG」はBPM94、キーA♭(カポ1でG開放コードの運指)の爽やかな夏ロックです。アコースティックギターの小気味よいカッティングが曲の顔になっており、バンドスコアもVo/A.G×2/E.G/B/Key/Dr/Percという編成で流通していますが、ライブ・弾いてみた文化ではギター1人による演奏が主流のため、この記事では単一プレイヤー編成を前提とします。この記事ではマルチエフェクターとマーシャル単体それぞれのギター設定に加え、ベースの音作りをまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値より耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: アコースティック的な小気味よいカッティングで曲の疾走感を支える役割。歪みは薄く、生々しいアタック感を残すのが理想です。
- リードギター: サビ前・間奏で短いフレーズを差し込み前に出る役割。刺さらない伸びを保ちつつ輪郭ははっきりさせます。
- ベース: ルート弾きを軸に軽快に曲を支える役割。粒立ちを保ちサビでわずかに前に出ます。
- カッティングの生々しいアタック感を潰さず、歪みは薄く抑えて爽やかさを残すのがこの曲の音作りの軸です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 20〜25%(カッティングの粒が潰れない上限)/ TREBLE 60%(明るさが刺さりに変わらない上限)/ MIDDLE 55%(削らない方針)/ BASS 40%(ベースと喧嘩しない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: 軽めのオーバードライブ系、GAIN 15〜20%、TONE 55%、LEVEL 50%。カッティングの一音一音の分離感が団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。サビ前・間奏のフレーズだけを前に出し、歪み感が変わったらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM94から、8分 = 60000÷94 ≒ 638ms、付点8分 = 60000÷94×1.5 ≒ 957ms。リズムは8分638msを薄くタップ、リードは付点8分957msでフレーズに広がりを出します
- リバーブ方針: ルーム系を薄めにMix 15%程度。爽やかさを消さない範囲に留め、リード時のみ25%前後まで上げます
- パッチ対比表: 単一プレイヤー編成のため、セクションごとに下記パッチを切り替えます
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ |
|---|---|---|
| GAIN | 20% | 25% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/20% |
| リバーブMix | 15% | 25% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3(カッティングの粒が潰れない上限)/ TREBLE 5〜6(刺さらない範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 3〜4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは手元を絞ってカッティングを軽く、サビ前・間奏はやや強めに弾き込み倍音を足すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分957msを再現できる空間系ペダルを1台足すと間奏フレーズの伸びが変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドはピッキングのニュアンス差を潰さない程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 45%(ギターと団子にならない上限)/ HIGH-MID 40%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、軽快なアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 4〜5(ギターと被らない上限)/ TREBLE 3〜4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: 夏らしい軽快さを出すため基本はピック弾きでアタックを残し、Aメロのみ指弾きでやや丸くする程度に留めます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、ピッキングの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギターのカッティングを主役に、軽めのリバーブで爽やかさを出します
- Aメロ/Bメロ: ギターは抑えたカッティング中心、ベースはルート弾きでサビに向け少しずつ強度を増やします
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターとディレイ(付点8分957ms)をON、ベースはサビパッチに切り替えます
- 間奏: リードギターのフレーズを主役に、ベースはルートを支えに回ります
- アウトロ: 音数を減らしリバーブとディレイの余韻だけを残して着地します
まとめ
- BPM94のディレイ基準値は8分638ms・付点8分957msです
- ギターは単一プレイヤー編成前提で、リズム/リードのパッチ切り替えで対応します
- アコースティック的なカッティングの粒立ちを潰さず、歪みは薄く抑えるのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は「雪月花」(ヤングスキニー)の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。