ヤングスキニー「雪月花」はBPM72、キーE(カポ1)で始まりラスサビでキーF(カポ1)へ転調するスローバラードです。実在の2人のギタリスト(かやゆー・ゴンザレス)を含む4人編成のバンドが原曲で、2024年のリリース後もTikTokを中心に長く聴かれ続けている定番曲です。この記事ではマルチエフェクターとマーシャル単体それぞれで、2本ギター編成の音作りに加えベースの音作りをまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値より耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(かやゆー): 弾き語りの土台となるアルペジオ/コードカッティングで歌を支える役割。歪みは薄く、歌詞の切なさを邪魔しない丸みが理想です。
- リードギター(ゴンザレス): サビ・ラスサビでメロディックなフレーズを重ね、感情の高まりを支える役割。伸びのある音色を保ちつつ耳に刺さらないようにします。
- ベース: ルートを軸に低音を支える役割。粒立ちを保ちラスサビでわずかに前に出ます。
- 歌詞の"匂い"の切なさを壊さないよう歪みは薄く抑え、ラスサビの転調に向けて音を段階的に持ち上げるのがこの曲の音作りの軸です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 15〜20%(アルペジオの粒が潰れない上限)/ TREBLE 55%(刺さらない上限)/ MIDDLE 55〜60%(削らない方針)/ BASS 45%(ベースと喧嘩しない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 10〜15%、TONE 50%、LEVEL 45%。アルペジオの一音一音が団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。フレーズだけを前に出し、歪み感が変わったらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM72から、8分 = 60000÷72 ≒ 833ms、付点8分 = 60000÷72×1.5 ≒ 1250ms。リズムは8分833msを薄くタップ、リードは付点8分1250msでフレーズに広がりを出します
- リバーブ方針: ホール系を深めにMix 25%程度(バラードのため)。リード時は35%前後まで上げ、ラスサビの転調直後はさらに奥行きを強めます
- パッチ対比表: 2人ギターのバンドならギター1(かやゆー=リズム)・ギター2(ゴンザレス=リード)が役割固定のまま同時運用、1人録音なら下記パッチをセクションごとに切り替えます
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/かやゆー用) | リードパッチ(ギター2/ゴンザレス用) |
|---|---|---|
| GAIN | 15% | 20% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/30% |
| リバーブMix | 25% | 35% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 2〜3(輪郭が潰れない上限、バラードのため歪みは薄め)/ TREBLE 5(刺さらない範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 3〜4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは手元を絞って歌を邪魔せず、サビ・ラスサビ(転調後)はやや強めに弾き込み倍音を足すのが基本です(2人編成ならかやゆー=終始弱め、ゴンザレス=サビ・ラスサビで強め)
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分1250msを再現できる空間系ペダルを1台足すとラスサビの盛り上がりが変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは指弾きのニュアンス差を潰さない程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 30%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 35%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 30%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きの温かみが残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、ラスサビ(転調後)でわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 2〜3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 4〜5(ギターと被らない上限)/ TREBLE 3(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: バラードのため基本は指弾きで丸く。ラスサビ(転調後)のみ軽くピックに持ち替えてアタックを足す程度に留めます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、指弾きの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギター(かやゆー)のアルペジオを主役に、リバーブを深めにかけて余韻を残します
- Aメロ/Bメロ: ギターは抑えたアルペジオ中心、リードギターはほぼ休符か薄い単音のみ、ベースは歌を邪魔しないルート弾きに徹します
- サビ: リードギター(ゴンザレス)のフレーズとブースターをON、ベースはサビパッチに切り替えます
- Cメロ〜ラスサビ(E→Fへの転調): 音量・歪み・ディレイ/リバーブのMixを一段階持ち上げ、ギター2本とベースが揃って感情の高まりを最大化します
- アウトロ: 音数を減らしリバーブとアルペジオの余韻だけを残して着地します
まとめ
- BPM72のディレイ基準値は8分833ms・付点8分1250msです
- 2人ギター編成ならかやゆー=リズム/ゴンザレス=リードの役割固定、1人録音ならパッチ切り替えで対応します
- ラスサビの転調(E→F)に向けて音量・エフェクトを段階的に引き上げるのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は次バッチ候補曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。