[Alexandros]「閃光」はBPM104、キーFマイナーの重厚な疾走感を持つロックナンバーです。実在の2人のギタリスト(川上洋平・白井眞輝)を含むバンド編成が原曲で、バンドスコアやギターTAB弾いてみた動画も複数実在します。この記事では、マルチエフェクターとマーシャルアンプ単体それぞれで、2本ギター編成のバンドサウンドを再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(川上): マイナーキーの重心を支えるコードストローク/カッティングが軸。歌の抜けを邪魔しない厚みを保ちつつ、曲の陰影を出す役割です。
- リードギター(白井): イントロ・間奏・サビでフレーズを前に出す役割。輪郭は立たせつつ、曲の重厚感を壊さない伸びを狙います。
- ベース: ルートを軸にしたラインで低音域の重心を作る役割。マイナーキーの厚みを支え、サビでわずかに前に出ます。
- バンドで2人ギターがいる場合: この曲の実際のバンドアレンジもギター2人体制(川上=リズム/白井=リード)です。ギター1は曲を通してリズム担当、ギター2は曲を通してリード担当という役割固定にし、2本を同時に鳴らして分解を作ります。
- 1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等): 2本のギターを持ち出せないので、セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を1人で再現します。
- 低音域を削りすぎずミドルも残し、マイナーキーの重厚感を保ったまま輪郭を作るのがこの曲の音作りの軸です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め〜中程度) → アンプモデル(クランチ)
→ ブースター(リードのみ) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 35〜40%(コードの粒が潰れない上限)/ TREBLE 50〜55%(刺さらない上限)/ MIDDLE 55〜60%(削らない方針、マイナーキーの重厚感を残す)/ BASS 45〜50%(ベースと喧嘩しない上限)/ LEVELは歌・リードの抜けを邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 25〜30%、TONE 50%、LEVEL 50%。コードの一音一音が団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3〜4dB程度。フレーズだけを前に出し、歪み感自体が変わったらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM104から、8分 = 60000÷104 ≒ 576.9ms、付点8分 = 60000÷104×1.5 ≒ 865.4ms。リズムは8分576.9msを薄くタップ程度に留め、リードは付点8分865.4msでフレーズに広がりを出します
- リバーブ方針: ルーム〜プレート系を薄めにMix 15〜20%程度。リード時は25〜30%前後まで上げ、曲の重厚感を保ったまま奥行きを足します
- パッチ対比表: 2人ギターのバンドならギター1(川上=リズム)・ギター2(白井=リード)が役割固定のまま同時運用、1人録音なら下記パッチをセクションごとに切り替えます
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/川上用) | リードパッチ(ギター2/白井用) |
|---|---|---|
| GAIN | 35% | 40% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/25% |
| リバーブMix | 15% | 28% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4〜5(粒が潰れない上限)/ TREBLE 5〜6(刺さらない範囲)/ MIDDLE 6(削らない、重厚感を残す)/ BASS 4〜5(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: 川上のリズムパートはAメロ・Bメロで手元を絞ってコードの粒を立たせ、白井のリードパートはサビ・間奏で強めに弾き込み倍音を足すのが基本です(1人編成なら同じ強弱の切り替えをセクションごとに行います)
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分865.4msを再現できる空間系ペダルを1台足すと間奏・サビのリードフレーズの伸びが変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF〜軽め) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは指弾き/ピック弾きのニュアンス差を潰さない程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 40%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 55%(重厚感を支える)/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 45%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 40%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌・ギターを邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI6:アンプ4を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本は薄めのドライブをON。マイナーキーの低音域に重みを足す狙いです。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 6:4 | 5:5 |
| ドライブ | 薄くON | やや強めにON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI 軽め(硬くなりすぎない上限)/ BASS 5〜6(重厚感を支える)/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: 基本は指弾きで低音域の重心を丸く支え、サビなどアタックを立たせたい場面のみピック弾きに切り替える使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、ピッキングのばらつきを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リードギター(白井)がフレーズを主役に鳴らし、リズムギター(川上)は薄めのコードストロークで支えます。ベースは通常パッチでルートを刻み低音域の重心を作ります
- Aメロ/Bメロ: ギター(川上)は歌伴奏のコードストローク中心、ベースは通常パッチのままマイナーキーの重厚感を支えます
- サビ: ギターはリードパッチ(白井)に切り替えブースターとディレイ(付点8分865.4ms)をON、ベースはサビパッチに切り替え音圧を上げます
- 間奏: リードギターのフレーズを再び主役に戻し、ベースも通常パッチに戻して重心を保ちます
- アウトロ: 音数を絞りつつリバーブの余韻を残して着地します
まとめ
- BPM104のディレイ基準値は8分576.9ms・付点8分865.4msです
- 2人ギター編成なら川上=リズム/白井=リード の役割固定、1人録音ならパッチ切り替えで対応します
- ベースは低音域を削らずマイナーキーの重厚感を支えるのがこの曲の判断基準です
- 前回の「ワタリドリ」と合わせて、[Alexandros]の2曲の音作り記事はこれで完結です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。