ZONE「secret base〜君がくれたもの〜」はBPM145、キーF♯/G♭のノスタルジックなミドルアップ曲です。ZONEはMIYU・TAKAYO(共にVo&Gt)・MAIKO(Vo&Ba)・MIZUHO(Vo&Dr)という実在の2人ギター編成を含む生演奏ガールズバンドで、この曲以降メンバー自身が楽器を演奏するスタイルに転向したことでも知られています。2001年の発売から20年以上を経てもバンドスコア・弾いてみた動画が非常に豊富で、2011年放送のアニメ「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」のカバー版で再ブレイクした定番曲です。この記事では2本ギター+キーボードのバンドサウンドを再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロでコード感を支えるカッティング/ストロークの役割。爽やかさとノスタルジックな切なさを両立する軽めの歪みが理想です。
- リードギター: イントロ・サビで印象的なアルペジオ/オブリガードを弾く役割。輪郭ははっきりさせつつ、キラキラした伸びを演出します。
- ベース: ルートを軸に軽快に前へ出る低音の役割。ミドルアップのテンポでも走らない安定した粒立ちが重要です。
- キーボード: イントロのオルゴールを思わせるきらめきと、サビの印象的なシンセフレーズを担う役割です。ギター・ボーカルと帯域が被らない繊細な粒立ちが理想です。
- バンドで2人ギターがいる場合: ZONEはMIYU・TAKAYOという実在の2人ギター編成であり、ギター1は曲を通してリズム担当、ギター2は曲を通してリード担当という役割固定で2本を同時に鳴らします。
- 1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等): セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を1人で再現します。
- 歪みは薄く、ノスタルジックな透明感とディレイ/リバーブの余韻を大切にするのがこの曲の音作りの軸です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 25〜30%(カッティングの粒が潰れない上限)/ TREBLE 55〜60%(キラキラした抜けを出しつつ耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 55%(削らない方針)/ BASS 45%(ベース・キーボードと被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 15〜20%、TONE 55%、LEVEL 50%。カッティングの一音一音が団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。キラキラした透明感を保ったまま前に出すのが目的で、歪みが増えたと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM145から算出すると、8分 = 60000÷145 ≒ 414ms、付点8分 = 414×1.5 ≒ 621ms。リズムは8分414msを薄くタップし、リードは付点8分621msでアルペジオに余韻を出します
- リバーブ方針: ホール系を薄めにMix 18%程度。リード時のみ25%前後まで上げ、ノスタルジックな奥行きを足します
- パッチ対比表: バンドで2人ギターがいる場合は、ギター1・ギター2がそれぞれ下記のパッチを曲を通して同時に鳴らし続けます。1人で両方を担当する場合は、この2パッチをセクションごとに切り替えて使ってください
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/1人の場合は基本パッチ) | リードパッチ(ギター2/1人の場合はサビ等で切替) |
|---|---|---|
| GAIN | 25% | 30% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/12% | 付点8分/22% |
| リバーブMix | 18% | 25% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3(カッティングの粒立ちが潰れない上限)/ TREBLE 6(キラキラした抜けを出す範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4(ベース・キーボードと被らない上限)/ PRESENCE 4〜5(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは手元を軽く絞ってノスタルジックに、サビ・間奏は強めに弾き込んでアルペジオを浮き立たせるのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分621msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の余韻が大きく変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは指弾き・ピック弾きどちらでも粒が揃う程度、レシオ3:1前後。軽快なアタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギター・キーボードと被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、軽快なアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3〜4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: Aメロ・Bメロは指弾きで軽快に、サビはピックに持ち替えてアタックを足し押し出す使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、指弾き・ピック弾きの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
⑤ キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ: イントロはオルゴール/ベル系のきらめく音色、サビは和音階的なフレーズを弾くシンセリード系。伴奏に埋もれず単独のフレーズとして聴こえるかが選定の判断基準です
- EQ方針: 250〜500Hz付近をギター・ベースと被らない範囲でわずかにカットし、高域のきらめき成分は残します。バンド全体で音の隙間があるかを耳で確認しながら削るのが基準です
- 空間系: BPM145から8分414ms・付点8分621ms。イントロのベル系フレーズには付点8分621msを薄くMixし、サビのシンセフレーズは8分414msで細かい輪郭を残します
- セクションごとの運用: イントロはベル系フレーズを主役に音量を上げ、Aメロ・Bメロは伴奏に回って音量を絞り、サビは再びフレーズを前に出してノスタルジックな彩りを強調します
セクション別の組み立て
- イントロ: キーボードのベル系フレーズを主役に、ギターはリズムパッチで音量を抑えて土台を作ります
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムパッチのゲインを絞り、ベースは粒立ちを優先して安定させます
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、期待感を作ります
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと付点8分621msのディレイをONにし、ベースはサビパッチで音圧を上げ、キーボードもシンセフレーズを前に出して曲の顔を強調します
- 間奏: リードギターとキーボードのフレーズを絡ませ、余韻を残しながら盛り上げます
- アウトロ: 音数を減らし、ディレイとリバーブの余韻だけを残してノスタルジックに着地します
まとめ
- BPM145のディレイ基準値は8分414ms・付点8分621msです
- ZONEはMIYU・TAKAYOの実在2人ギター編成のため、バンドは2本同時運用、1人なら切り替え運用で対応します
- イントロ・サビのキーボードフレーズを主役として扱うのがこの曲の判断基準の一つです
- 歪みは薄く、キラキラしたディレイ/リバーブの余韻でノスタルジックな透明感を保つのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は同じ2000年代ガールズバンド・邦楽ロックの定番曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。