ゆず「夏色」はBPM120、キーはD♯/E♭の爽やかな夏定番ナンバーです。ゆず自体が北川悠仁・岩沢厚治という2人のギター&ボーカルによるデュオであり、Vo/Gt1/Gt2/Key/Bass/Dr編成のバンドスコアや弾いてみた動画、バンドカバー音源も豊富に流通しています。この記事では、実際に2人のギタリストが存在するこの曲の特性を踏まえ、マルチエフェクター・マーシャル単体・ベースそれぞれの設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: Aメロ・Bメロを支えるアコースティック感のあるコードストローク。抜けの良い明るさを残しつつ、歌の邪魔をしない厚みが理想です。
- リードギター: サビや間奏で輪郭のはっきりしたアルペジオ・オブリガードを担う役割。爽やかさを保ったまま、前に出過ぎない伸びを狙います。
- ベース: ルートを軸に軽快に跳ねる低音を支える役割。もたつかない粒立ちで、サビで少し押し出します。
- バンドで2人ギターがいる場合: ゆずは北川悠仁・岩沢厚治という実在の2人ギター編成であり、ギター1は曲を通してリズム担当、ギター2は曲を通してリード担当という役割固定で2本を同時に鳴らします。
- 1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等): セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を1人で再現します。
- ミドルを削らず、歪みは薄く爽やかさを残すのがこの曲の音作りの軸です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め・使う場合のみ) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 25〜30%(コードストロークの粒が潰れない上限)/ TREBLE 55〜60%(抜けの良さを出しつつ耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 55%(削らない方針)/ BASS 45%(ベースと帯域が被らない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック(使う場合のみ): TS系、GAIN 15〜20%、TONE 55%、LEVEL 50%。ストロークの一音一音が団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。爽やかな音色のまま前に出すのが目的で、歪みが増えたと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM120から算出すると、8分 = 60000÷120 = 500ms、付点8分 = 60000÷120×1.5 = 750ms。リズムは8分500msを薄くタップし、リードは付点8分750msでフレーズに開放感を出します
- リバーブ方針: ホール系を薄めにMix 18%程度。リード時のみ25%前後まで上げ、夏らしい抜けの良い奥行きを足します
- パッチ対比表: バンドで2人ギターがいる場合は、ギター1・ギター2がそれぞれ下記のパッチを曲を通して同時に鳴らし続けます。1人で両方を担当する場合は、この2パッチをセクションごとに切り替えて使ってください
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/1人の場合は基本パッチ) | リードパッチ(ギター2/1人の場合はサビ等で切替) |
|---|---|---|
| GAIN | 25% | 30% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/12% | 付点8分/22% |
| リバーブMix | 18% | 25% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3(コードの粒立ちが潰れない上限)/ TREBLE 6(抜けの良さを出す範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4〜5(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは手元を軽く絞って爽やかに、サビ・間奏は強めに弾き込んでオブリを浮き立たせるのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分750msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビ・間奏の開放感が大きく変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは指弾き・ピック弾きどちらでも粒が揃う程度、レシオ3:1前後。軽快なアタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギターと帯域が被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、軽快なアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3〜4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: Aメロ・Bメロは指弾きで軽快に、サビはピックに持ち替えてアタックを足し押し出す使い分けが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、指弾き・ピック弾きの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リードパッチのアルペジオ・オブリガードを主役に、ベースは音数を抑えて土台を作ります
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムパッチのゲインを最小に絞り、ベースは粒立ちを優先します
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、期待感を作ります
- サビ: リードパッチに切り替えブースターと付点8分750msのディレイをONにし、ベースはサビパッチでコンプと音圧を上げて曲を押し出します
- 落ちサビ/アウトロ: 音数を減らし、リバーブとディレイの余韻だけを残して爽やかに着地します
まとめ
- BPM120のディレイ基準値は8分500ms・付点8分750msです
- ゆずは北川悠仁・岩沢厚治の実在2人ギター編成のため、バンドは2本同時運用、1人なら切り替え運用で対応します
- ミドルを削らずクリーン〜薄クランチで爽やかさを残すのが、この曲最大の判断基準です
- 次回は同じゆずの他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。