あいみょん「マリーゴールド」はBPM106、キーはDのミドルテンポナンバーです。原曲はアコースティックギター1本のイントロから始まり、Aメロ以降はベース・ドラムを含むバンドサウンドへと厚みを増していく構成で、ギター弾いてみた・ベースカバーなどの動画やバンドスコアも豊富に流通しています。この記事ではマルチエフェクターとマーシャル単体それぞれで、静と動の落差を再現する設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値より耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: アコギ的な質感のカッティングとストロークで曲を支える役割。歪みはごく薄く、生々しい輪郭を残すのが理想です。
- リードギター: サビでコードの隙間を埋めるオブリガードを担う役割。輪郭を保ちつつ耳に刺さらない伸びを狙います。
- ベース: イントロは音数を絞り、サビに向けて存在感を増していく役割。粒立ちを保ちながら曲の起伏を支えます。
- イントロの静けさとサビの厚みの落差を歪みすぎずに作るのがこの曲の音作りの軸です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(ごく薄め) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 15〜20%(アコギ的な輪郭が潰れない上限)/ TREBLE 55%(刺さらない上限)/ MIDDLE 55〜60%(削らない方針)/ BASS 45%(ベースと喧嘩しない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 10〜15%、TONE 50%、LEVEL 50%。ストロークの粒が団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。サビのオブリガードだけを前に出し、歪み感が変わったらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM106から、8分 = 60000÷106 ≒ 566ms、付点8分 = 60000÷106×1.5 ≒ 849ms。イントロ・Aメロは8分566msを薄くタップし空間を出し、サビは付点8分849msでオブリガードに広がりを付けます
- リバーブ方針: イントロはホール系を薄くMix 15%程度で静けさを保ち、サビは25〜30%まで上げ厚みを足します
- リズム/リードのパッチ対比表: バンド演奏・弾いてみたとも1人のギタリストが中心のため、セクションごとにパッチを切り替えます
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ |
|---|---|---|
| GAIN | 15% | 20% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/25% |
| リバーブMix | 15% | 30% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 2〜3(輪郭が潰れない上限)/ TREBLE 5〜6(刺さらない範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: イントロ・Aメロは手元を絞ってアコギ的な柔らかさを残し、サビは強めに弾き込み音圧を上げるのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分849msを再現できる空間系ペダルを1台足すとサビの広がりが変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは指弾きのニュアンス差を潰さない程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3〜4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: イントロ・Aメロは指弾きで音数を絞り、サビのみ軽くピックに持ち替えてアタックと音圧を足します
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、指弾きの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: ギターはリズムパッチでアコギ的な質感を出し、ディレイ・リバーブを薄くして静けさを保ちます
- Aメロ: ベースは音数を絞りルート中心、ギターはゲインを最小に保ちます
- Bメロ: サビに向けディレイ・リバーブを少しずつ開き、ベースはわずかに動きを増やして期待感を作ります
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターとディレイ(付点8分849ms)をON、ベースはサビパッチで音圧を上げ曲全体の厚みを作ります
- 落ちサビ/アウトロ: 音数を減らしリバーブだけを残し、イントロの静けさに近い質感に戻します
まとめ
- BPM106のディレイ基準値は8分566ms・付点8分849msです
- イントロの静けさとサビの厚みの落差を作るのがこの曲最大の判断基準です
- ギターはリード/リズムの切り替え、ベースは通常/サビパッチの切り替えで曲の起伏を作ります
- 次回は「青と夏」(Mrs.GREEN APPLE)の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。