Vaundy「怪獣の花唄」はBPM150、キーはDメジャーの明るいアッパーチューンです。バンド用譜面やギター・ベースの弾いてみた、バンドカバー動画が多数あり、キーボードパートを起こした音源も公開されています。この記事ではマルチエフェクターとマーシャル単体それぞれで、この曲の躍動感を再現する設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: 16分カッティングでグルーヴを刻む役割。歪みは軽めに、跳ねる質感が理想です。
- リードギター: サビの合いの手やフックフレーズを担う役割。輪郭をはっきりさせつつ前に出過ぎない伸びを狙います。
- ベース: シンコペーションを効かせたグルーヴ主体のフレーズで躍動感を支える役割。粒立ちを保ちサビで存在感を増します。
- キーボード/シンセ: イントロ・サビの掛け合いに彩りを添えるパッド/フレーズ担当。ギター・ボーカルの隙間を埋めます。
- 強く歪ませずグルーヴの跳ねを残す ― この曲の明るさを支える基本方針です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め) → アンプモデル(クランチ系)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 35〜40%(16分でも粒立ちが潰れない上限)/ TREBLE 55%(刺さらない上限)/ MIDDLE 55〜60%(削らない方針)/ BASS 40〜45%(ベースと喧嘩しない上限)/ LEVEL はバンド内で埋もれない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 20〜25%、TONE 50%、LEVEL 45%。16分カッティングの粒が潰れない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB。フックフレーズだけを前に出し、歪みが増えたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM150から、8分 = 60000÷150 = 400ms、付点8分 = 60000÷150×1.5 = 600ms。リズムは8分400msを薄くタップ、リードは付点8分600msで広がりを出します
- リバーブ方針: ホール系を薄めにMix 15%程度。フック・サビのみ20〜25%まで上げます
- リズム/リードのパッチ対比表: 原曲・弾いてみた動画とも1人のギタリスト演奏が中心のため、セクションごとにパッチを切り替えます
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ |
|---|---|---|
| GAIN | 35% | 40% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/20% |
| リバーブMix | 15% | 20〜25% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3〜4(16分の粒立ちが潰れない上限)/ TREBLE 5〜6(刺さらない範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 5(耳が痛くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロは弱めに絞って軽やかに、サビ・フックは強めに弾き込んで前に出すのが基本です
- 足りない機能への対処: 付点8分600msを再現できる空間系ペダルを1台足すとフックの伸びが変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドはシンコペーションのニュアンスを潰さない程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35〜40%(潰れない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 45%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVEL はギターに埋もれない音量が基準。DI+アンプのブレンド比率はアタック感が残る範囲で色を混ぜるのが判断基準で、DI7:アンプ3から耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(基本OFF): サビのみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭が団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(グルーヴ優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3〜4(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI 軽め(アタックが埋もれない程度)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: 基本は指弾きでグルーヴを丸く、サビのみピック弾きでアタックを足すのが基本です
- 足りない機能への対処: シンコペーションの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと安定します
⑤ キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ選定: イントロ・サビの掛け合いはアナログシンセパッド系を中心に、フックのフレーズ部分は輪郭のはっきりしたベル/プラック系を重ねます。バンド全体で音の隙間が空いている箇所だけに足すのが選定の判断基準です
- EQ方針: ローはギターと被る帯域をハイパスでカットし、ボーカル帯域(中域)は軽く削る。耳でバンド全体の隙間を確認し、ボーカルが前に出るかで判断します
- 空間系: BPM150から、8分400ms・付点8分600msをディレイ/リバーブの基準にし、パッド系は付点8分600msでやや広げに設定します
- セクションごとの音色/音量運用: イントロはパッド薄めで雰囲気作り、サビはフック用ベル/プラックの音量を上げ、Aメロ・Bメロはほぼ音量を絞ります
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムパッチで音数を抑え、キーボードはパッド薄めで雰囲気作り、ベースは通常パッチです
- Aメロ/Bメロ: ギターはリズムパッチでゲインを抑え、キーボードは音量を絞り、ベースはコンプ量を少しずつ上げます
- サビ: ギターはリードパッチでブースターとディレイ(付点8分600ms)をON、キーボードはフック音色の音量を上げ、ベースはサビパッチで音圧を上げます
- 間奏/アウトロ: リードパッチのフックフレーズを強調した後、音数を減らしリバーブだけを残します。ベース・キーボードとも通常パッチ/音量を絞って着地します
まとめ
- BPM150のディレイ基準値は8分400ms・付点8分600msです
- 強く歪ませずグルーヴの跳ねを残すのがこの曲の軸です
- ギターはリード/リズムの切替、ベースは通常/サビパッチ、キーボードは隙間を埋める彩りとして運用します
- 次回は「新宝島」(サカナクション)の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。