ORANGE RANGE「イケナイ太陽」はBPM145、キーEマイナーのアップテンポ曲です。ギターはNAOTOによる単一プレイヤー編成、ベースはYOHが担当し、バンドスコアにはキーボード/シンセパートも複数収録されています。夏の疾走感を持つ8ビートのロックサウンドに、シンセの明るい色が重なるのがこの曲の特徴です。この記事ではマルチエフェクターとマーシャル単体それぞれのギター設定に加え、ベースとシンセパートの音作りをまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値より耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: オープンコードの8ビートストロークで曲を前へ押し出す役割。歪みは強すぎず、疾走感を保ちながらも音数の少ないシンプルなコード感を活かします。
- リードギター: サビ・間奏でフレーズを差し込み輪郭をはっきりさせる役割。刺さらない伸びを保ちつつ前に出すのが理想です。
- ベース: 8ビートのルート弾きで曲の推進力を支える役割。粒立ちを保ちサビでわずかに前に出ます。
- キーボード/シンセ: イントロ・間奏で明るい色を添えるフレーズを奏でる、曲の夏らしさを演出する役割です。
- 強く歪ませすぎず、8ビートの疾走感とシンセの明るさの輪郭を最優先に残すのがこの曲の音作りの軸です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(中程度) → アンプモデル(クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 30〜35%(コードの粒が団子にならない上限)/ TREBLE 55〜60%(刺さらない上限)/ MIDDLE 55%(削らない方針)/ BASS 45%(ベース・シンセと喧嘩しない上限)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 25〜30%、TONE 50〜55%、LEVEL 55%。8ビートストロークの一音一音が団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。サビ・間奏のフレーズだけを前に出し、歪み感が変わったらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM145から、8分 = 60000÷145 ≒ 414ms、付点8分 = 60000÷145×1.5 ≒ 621ms。リズムは8分414msを薄くタップ、リードは付点8分621msでフレーズに広がりを出します
- リバーブ方針: ルーム系を薄めにMix 15%程度。疾走感を消さない範囲に留め、リード時のみ25%前後まで上げます
- パッチ対比表: 単一プレイヤー編成のため、セクションごとに下記パッチを切り替えます
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ |
|---|---|---|
| GAIN | 30% | 35% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/20% |
| リバーブMix | 15% | 25% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4(粒が潰れない上限)/ TREBLE 5〜6(刺さらない範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4(ベース・シンセと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロ・Bメロは手元を絞ってストロークを軽く、サビ・間奏はやや強めに弾き込み倍音を足すのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分621msを再現できる空間系ペダルを1台足すと間奏フレーズの広がりが変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは指弾き/ピックのニュアンス差を潰さない程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 40%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギター・シンセと被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVELは歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、疾走感のあるアタックが残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: 8ビートの推進力を出したい曲のため基本はピック弾きでアタックを残し、Aメロのみ指弾きでやや丸くする程度に留めます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、ピッキングの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
⑤ キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ: 明るいシンセ/エレピ系。イントロ・間奏で伴奏に埋もれず単独のフレーズとして聴こえるかが選定の判断基準です(バンドスコアにも複数のキーボード/シンセパートが収録されており、パート単体の演奏動画も存在するほど独立して聴こえる音色です)
- EQ方針: 300〜500Hz付近をギター・ベースと被らない範囲でわずかにカット。高域の明るさは残し、バンド全体で音の隙間があるかを耳で確認しながら削るのが基準です
- 空間系: BPM145から8分414ms・付点8分621ms。イントロ・間奏のフレーズには付点8分621msを薄くMixし、伴奏部分はディレイを絞ってコード感を優先します
- セクションごとの運用: イントロ・間奏はフレーズを主役に音量を上げ、Aメロ・Bメロは伴奏に徹して絞り、サビはギターと歌の隙間を埋める程度に留めます
セクション別の組み立て
- イントロ: キーボード/シンセの明るいフレーズを主役に、ギターはリズムパッチで音量を抑えます
- Aメロ/Bメロ: ギターは歌伴奏の8ビートストローク中心、キーボードは伴奏に回り、ベースはサビに向け少しずつ強度を増やします
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターとディレイ(付点8分621ms)をON、ベースはサビパッチ、キーボードは歌の隙間を埋める程度に音量調整します
- 間奏: キーボード/シンセのフレーズを再び主役に戻し、リードギターとユニゾン気味に絡めます
- アウトロ: 音数を減らしリバーブとシンセの余韻だけを残して着地します
まとめ
- BPM145のディレイ基準値は8分414ms・付点8分621msです
- ギターは単一プレイヤー編成前提で、リズム/リードのパッチ切り替えで対応します
- 明るいシンセ/エレピ系のフレーズを主役として扱いつつ、8ビートの疾走感を殺さないのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は「Crossroad -愛の免許返納-」(THE ALFEE)の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。