GLAY「HOWEVER」は、BPM86・キーCメジャーの楽曲です。1996年の発表から現在まで歌い継がれる代表曲で、ギター2本(Takuro/Hisashi)・ベース(Jiro)・ドラムのフルバンド編成に加え、長年ライブに帯同するサポートキーボーディストによるイントロのピアノフレーズが曲の顔として広く知られています。実際にバンド編成での演奏例(弾いてみた動画、市販バンドスコア)も複数確認できる曲です。この記事では、ギター・ベースのマルチエフェクター/マーシャル設定に加えて、あの象徴的なイントロピアノの音作りの考え方もまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(Takuro): Aメロ〜サビまでを支えるコード主体の役割。歪みは薄く、ボーカルとピアノの隙間を埋める粒立ちが理想です。
- リードギター(Hisashi): 間奏・ラスサビでの単音フレーズや装飾を担う役割。ピアノの旋律線と喧嘩しない音域で歌に寄り添う音量が基準になります。
- ベース(Jiro): バラードの重心を支える低域の土台役。走らず沈み込みすぎない、ゆったりとした粒立ちが求められます。
- キーボード(サポートキーボーディスト): イントロで曲を象徴するピアノフレーズを単独で聴かせる役割。伴奏に埋もれず、誰が聴いても「あの曲だ」とわかる存在感が理想です。
- バラードの静けさを壊さずに、ピアノ・ギター・ベースそれぞれの隙間を守りながら音圧を積み上げていくことが音作りの軸です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め) → アンプモデル(クリーン〜クランチ)
→ ブースター(リードのみ) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 30〜40%(サビでもコードが団子にならない上限)/ TREBLE 50%(ピアノの高域と喧嘩しない範囲)/ MIDDLE 50%(削らない方針)/ BASS 35%(ベースと被らない上限)/ LEVELはピアノに埋もれない程度が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 25〜30%、TONE 45%、LEVEL 40%。バラードのコードが濁らず、和音のまま聴き取れる上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+2dB程度。間奏・ラスサビのリードフレーズが歌とピアノの隙間を縫って前に出る範囲に収めるのが判断基準です
- ディレイブロック: BPM86から算出すると、8分 = 60000÷86 = 約697.7ms、付点8分 = 697.7×1.5 = 約1046.5ms。ラスサビのリードは付点8分1046.5msで余韻を広げ、リズムは8分697.7msを薄くかけて曲のゆったりした呼吸を保ちます
- リバーブ方針: ホール系をやや深めにMix 20〜25%程度。ピアノの残響と喧嘩して輪郭がぼやけたら深すぎるサインです
- パッチ対比表: バンドで実在する2人ギター編成のため、Takuroは曲を通してリズム担当、Hisashiは曲を通してリード担当という役割固定の2本同時運用が前提です
| 項目 | リズムパッチ(Takuro用) | リードパッチ(Hisashi用) |
|---|---|---|
| GAIN | 30% | 40% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/20% |
| リバーブMix | 20% | 25% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3〜4(バラードで音が痩せない下限〜サビで団子にならない上限)/ TREBLE 5(ピアノと喧嘩しない範囲)/ MIDDLE 6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くなりすぎない上限)
- 展開の作り方: バンドで2人いる場合は、Takuro用アンプはピッキングを終始抑えめにしてコードを整え、Hisashi用アンプはサビ・間奏でピッキングを強めて前に出す、という2台別運用が基本です。1人で両方を担当する宅録・弾いてみたの場合は、Aメロは軽いピッキングでコードを鳴らし、間奏・ラスサビにかけて弾き込みを強める切り替えで役割を表現してください
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分1046.5msの余韻を再現できる空間系ペダルを1台足すと、ラスサビのリードフレーズの広がりが大きく変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは8分のアタックが均一に聴こえる程度、レシオ3:1前後。バラードでピッキングが弱くなる場面でも、アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 40%(サビでも音が暴れない上限)/ BASS 55%/ LOW-MID 45%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 25%(刺さらない範囲)/ LEVELはサビで音圧を一段上げる音量が基準。DI+アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲でアンプ側の色を混ぜるのが判断基準です
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビで厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ(イントロ・Aメロ・Bメロ) | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | やや強め(粒立ち優先) | 軽め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3〜4(Aメロで音が痩せない下限〜サビで暴れない上限)/ ULTRA LO 軽め(もたつかない範囲)/ ULTRA HI OFF〜軽め(硬くなりすぎない範囲)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開の作り方: イントロ・Aメロは指弾きで柔らかく沈み込ませ、サビでピック弾き寄りの明瞭なアタックに切り替えると、静と動の対比がはっきり作れます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、Aメロとサビとのピッキングのばらつきを均す外部コンプペダルを1台足すと音の安定感が増します
⑤ キーボード/シンセ音作り
- 音色カテゴリ選定: グランドピアノ系(アコースティックピアノ系)の音色を基本とします。イントロで単独で聴こえるフレーズであるため、単体で「あの曲だ」とわかる存在感が残る音量まで持ち上げるのが判断基準です(伴奏に薄く馴染む程度に抑えると曲の顔が消えてしまいます)。GLAYはコアメンバーに専任キーボーディストがいないため、長年ライブに帯同するサポートキーボーディストが弾く前提で、タッチの強弱を丁寧に付けられる音源・鍵盤を選ぶことが望ましいです
- EQ方針: ギターのミドル帯(400Hz〜1.5kHz付近)とボーカルの帯域を避けて削ります。バンド全体で音の隙間があるかを耳で確認し、隙間が無ければピアノ側を削る、ギターの主張が強すぎればギターのミドルを削る、の順で調整するのが判断基準です
- 空間系設定: BPM86から算出した8分697.7ms・付点8分1046.5msを流用します。イントロは付点8分1046.5msで余韻を広げ、バンドが入ってくるAメロ以降は8分697.7ms寄りに浅くして輪郭を保ちます
- セクションごとの運用方針: イントロでは主役級の音量で単独フレーズを聴かせ、Aメロ・Bメロでは伴奏に薄く馴染ませて音量を落とし、サビ・ラスサビで再度持ち上げてギターと絡めます。ライブごとにサポートキーボーディストが代替わりしてきた経緯もあるため、機材依存の設定値を断定せず、イントロのフレーズが独立して聴こえるかどうかを都度耳で確認しながら音量を決めるのがこの曲での運用の判断基準です
セクション別の組み立て
- イントロ: ピアノが主役の場面なので、ギター・ベースは音を出さずに隙間を残します
- Aメロ: リズムギター(Takuro)はコード中心で静かに鳴らし、ベースは指弾きで柔らかく支え、ピアノは伴奏に薄く馴染ませます
- Bメロ: サビに向けてギターのディレイ・リバーブを少しずつ深くし、ベースのコンプもやや軽めに移行し、ピアノの音量を上げ始めて盛り上がりを準備します
- サビ: リードギター(Hisashi)は付点8分1046.5msのディレイとブースターをONにし、旋律を前に出します。ベースはサビパッチで音圧を上げ、ピアノも前面に出して歌を支えます
- 間奏: リードギターとピアノの掛け合いを意識し、互いの旋律線が潰し合わない音域で弾き分けます
- ラスサビ〜アウトロ: 音量・エフェクトともにこの曲で最も深い設定を維持しつつ、ピアノのフレーズを再び主役に戻して余韻を残し締めくくります
まとめ
- BPM86のディレイ基準値は8分697.7ms・付点8分1046.5msです。イントロ・ラスサビのピアノとリードギターには付点8分を、リズムギターは8分寄りを薄くかけるのがコツです
- 実在する2人ギター編成(Takuro=リズム/Hisashi=リード)のため、バンドで演奏する場合は役割固定の2台同時運用、宅録では同じ設定をセクションごとに切り替える運用になります
- イントロのピアノが曲の顔なので、バンド隊は音量・エフェクトともに控えめにして隙間を守ることが音作りの軸になります
- 次回は同アーティストの別の代表曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。