優里「ドライフラワー」はBPM74、キーはG、しっとりとしたバラードです。学園祭バンドの定番曲で、エレキベース用TAB譜やギター弾き語り譜も多数あります。この記事ではマルチエフェクターとマーシャル単体それぞれで、このバラードの起伏を再現する設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: 16分の裏でコードが変わるアルペジオ/カッティングで曲の起伏を支える役割。歪みは薄く、コードの余韻を残す質感が理想です。
- リードギター: Aメロ・Bメロの合間やサビに入るオブリ(合いの手)フレーズを担う役割。歌に寄り添いつつ、埋もれない伸びを狙います。
- ベース: ルートを軸にした下降フレーズで曲の切なさを支える役割。音数を絞りつつ、サビではわずかに存在感を増します。
- バラードでも歪みを足しすぎず、ミドルを削らない繊細な音作りが軸になります。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(薄め・使う場合のみ) → アンプモデル(クリーン〜薄クランチ)
→ ブースター(オブリのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 15〜20%(コードの余韻が潰れない上限)/ TREBLE 50%(刺さらない上限)/ MIDDLE 55〜60%(削らない方針)/ BASS 45%(ベースと喧嘩しない上限)/ LEVEL は歌を邪魔しない音量が基準
- ドライブブロック(使う場合のみ): TS系、GAIN 10〜15%、TONE 50%、LEVEL 45%。クリーンの粒立ちを壊さない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(オブリのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+2〜3dB。存在感だけを足し、歪み感が変わったらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM74から、8分 = 60000÷74 ≈ 811ms、付点8分 = 60000÷74×1.5 ≈ 1216ms。リズムはほぼ絞り、オブリ・サビは付点8分1216msで余韻を広げます
- リバーブ方針: ホール系をやや深めにMix 25〜30%。オブリ・サビ時は35%程度まで上げます
- リズム/リードのパッチ対比表: 弾き語り・バンド演奏とも1人のギタリストが中心のため、セクションごとにパッチを切り替えます
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ |
|---|---|---|
| GAIN | 15% | 20% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | ほぼ0〜5% | 付点8分/25% |
| リバーブMix | 25% | 30〜35% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 2〜3(コードの余韻が濁らない上限)/ TREBLE 5(刺さらない範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4(ベースと被らない上限)/ PRESENCE 4(耳当たりが硬くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロは手元を絞って柔らかく、サビ・オブリはやや強めて倍音を足す。ピッキングだけで音量とニュアンスの差を作るのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分1216msの長い余韻を再現できる空間系ペダルを1台足すとサビの広がりが変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは弱いピッキングのニュアンス差を潰さない程度、レシオ2.5:1前後。pp〜mfの強弱差を残す上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 30%(音が丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギターと被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVEL は歌を邪魔しない音量が基準。DI+アンプのブレンド比率は柔らかさが残る範囲で色を混ぜるのが判断基準で、DI8:アンプ2程度から耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビでわずかに厚みを足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(強弱優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 8:2 | 7:3 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: 基本は指弾きで丸く。サビのみ軽くピックに持ち替えアタックを足す程度に留め、柔らかさを崩さないのが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、pp〜mfの強弱差を均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムパッチ・通常ベースパッチで音数を抑え、ディレイはほぼ絞って静けさを保ちます
- Aメロ: ギターはアルペジオ中心でゲインを最小に、ベースはルート中心で音数を絞ります
- Bメロ: サビに向けディレイ・リバーブを少しずつ開き、ベースは下降フレーズで期待感を作ります
- サビ: ギターはリードパッチに切り替えブースターとディレイ(付点8分1216ms)をONにします。ベースはサビパッチで音圧をわずかに上げます
- 間奏(オブリ): リードパッチのままブースターをON、フレーズが埋もれないようLEVELを調整します
- 落ちサビ/アウトロ: 音数を減らしリバーブだけを残し、ベースは通常パッチに戻します
まとめ
- BPM74のディレイ基準値は8分811ms・付点8分1216msです
- バラードでも歪みは薄く、ミドルを削らないのがサイト共通の考え方です
- ギターはリード/リズムの切り替え、ベースは通常/サビパッチの切り替えで曲の起伏を作ります
- 次回は「天体観測」(BUMP OF CHICKEN)の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。