バルーン「シャルル」はBPM145、キーはC#/D♭(セルフカバー版)のアップテンポなナンバーです。ボーカロイド発の楽曲ですが、ギター・ベース・ドラムを含むバンドサウンドで制作されており、バンド編成での弾いてみた動画やベースカバーも多数投稿されています。この記事では、マルチエフェクターとマーシャルアンプ単体それぞれで、このバンドサウンドをギター・ベースで再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター: 8分主体のカッティングで曲を前に運ぶ役割。歪みは薄めに保ち、コード感を残したまま疾走感を支える芯のある質感が理想です。
- リードギター: サビ・間奏で伸びやかに歌うライン。ボーカルの熱量を邪魔せず、輪郭のはっきりした丸みのある伸びを狙います。
- ベース: 8分/16分でリズムを刻みながら曲全体の低音の土台を支える役割。粒立ちを保ちつつ、サビでは音圧を少し上げて曲の高揚感を後押しします。
- ミドルを削らずに歪みは薄く重ねる ― この曲の切なさと高揚感を両立するバンドサウンドの土台になる考え方です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(TS系) → アンプモデル(Marshall系クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 40〜45%(コードを弾いても各音の輪郭が潰れない上限)/ TREBLE 55〜60%(耳に刺さらない範囲の上限)/ MIDDLE 55〜60%(削らない方針。バンド全体で音が薄くならない目安)/ BASS 45%(ベースの帯域と喧嘩しない上限)/ LEVEL はバンド全体の中で埋もれない音量を基準に調整
- ドライブブロック: TS系ドライブ、GAIN 25〜30%、TONE 50%、LEVEL 50%。和音を弾いても濁らない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3〜4dB程度。音色を変えずに前に出すのが目的で、歪みが増えたと感じたらやり過ぎです
- ディレイブロック: BPM145から算出すると、8分 = 60000÷145 ≈ 414ms、付点8分 = 60000÷145×1.5 ≈ 621ms。リズムは8分414msを薄くタップ、リードは付点8分621msでフレーズに広がりを出します
- リバーブ方針: ホール系を薄めに、Mix 15〜20%程度。リード時のみ25%前後まで上げて奥行きを足す程度に留めます
- リズム/リードのパッチ対比表: この曲は原曲・弾いてみた動画とも1人のギタリストによる演奏が中心のため、セクションごとに下記のパッチを切り替えて運用します
| 項目 | リズムパッチ | リードパッチ |
|---|---|---|
| GAIN | 40% | 45% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/25% |
| リバーブMix | 15% | 20〜25% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 4〜5(和音の濁りが出ない上限)/ TREBLE 5〜6(耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4(ベースと帯域が被らない上限)/ PRESENCE 5(サビで耳が痛くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: Aメロは手元を絞って弱めに、サビは強めに弾き込んでゲイン感を上乗せする。ピッキングだけでリズムとリードの音量差を作るのが基本です
- 足りない機能への対処: マーシャル単体だとディレイ・リバーブが無いため、このディレイ計算(付点8分621ms)を再現できる空間系ペダルを1台足すと、サビの伸びが大きく変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(使う場合のみ) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドはピッキングのばらつきが均される程度、レシオ3:1前後。アタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35〜40%(音圧を上げても音が潰れない上限)/ BASS 55%/ LOW-MID 50%(削らない方針)/ HIGH-MID 45%(ギターの帯域と被らない上限)/ TREBLE 40%(耳に刺さらない範囲)/ LEVEL はギターに埋もれない音量を基準に調整。DI+アンプモデルのブレンド比率は指弾きのアタック感が残る範囲でアンプ側の色を混ぜるのが判断基準で、DI7:アンプ3程度から耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): サビで音圧を上げたい時のみ軽いドライブ系を薄くON。低音の輪郭が潰れて団子にならない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +2〜3dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 4〜5(音が割れない上限)/ ULTRA LO OFF〜軽め(低音が団子にならない範囲)/ ULTRA HI 軽め(指弾きのアタックが埋もれない程度)/ BASS 5〜6/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 4(耳に刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: Aメロは指弾きで丸く、サビはピック弾きに切り替えてアタックと音圧を上げる。奏法の切り替えだけで通常/サビの音圧差を作るのが基本です
- 足りない機能への対処: アンプ単体だとコンプ・EQの細かい調整ができないため、粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと、通常パッチとサビパッチの差がより安定して作れます
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムパッチ・通常ベースパッチで音数を抑え、ディレイは薄めにして曲の入りを整理します
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないよう、ギターのゲインとリバーブを最小に絞り、ベースは指弾き寄りの丸い音圧に留めます
- Bメロ: サビに向けてギターのディレイMixを少しずつ上げ、ベースもコンプ量とLEVELを段階的に上げて期待感を作ります
- サビ: ギターはリードパッチに切り替え、ブースターとディレイ(付点8分621ms)をONにして音を開放的に広げます。ベースはサビパッチに切り替え、音圧を上げて曲の高揚感を後押しします
- 落ちサビ: 音数を減らし、ギターはリバーブだけをやや残し、ベースは通常パッチに戻して余韻を作ります
まとめ
- BPM145のディレイ基準値は8分414ms・付点8分621msです
- ミドルを削らず歪みを薄く重ねるのが、このサイト共通の考え方です
- ギターはリード/リズムのパッチ切り替え、ベースは通常/サビパッチの切り替えで曲の展開を作ります
- 次回は同じ第1バッチの「夜に駆ける」(YOASOBI)の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。