Mrs.GREEN APPLE「青と夏」はBPM185(資料によっては倍取りで92〜93と表記される場合あり)、キーはEの疾走感あふれる王道サマーアンセムです。原曲は大森元貴(Vo/Gt)・若井滉斗(Gt)という実在する2人ギター編成で制作されており、バンドスコアや弾いてみた動画も数多く流通しています。この記事では、マルチエフェクターとマーシャル単体それぞれで、この2本ギター+ベースのバンドサウンドを再現するための設定値と判断基準をまとめました。 ※設定値はあくまで出発点です。数値そのものより、以降で示す耳での判断基準を優先して微調整してください。
目指す音の分解
- リズムギター(大森): 歌いながらの8分〜16分カッティングで曲を前に進める役割。歪みは軽めに留め、コードの輪郭を潰さない厚みが理想です。
- リードギター(若井): アルペジオや伸びやかなオブリガードで空間を埋める役割。角の立ちすぎないカッティングと丸みのある伸びを重視します。
- バンドで2人ギターがいる場合: この曲の実際のバンドアレンジもギター2人体制(大森/若井)です。ギター1は曲を通してリズム担当、ギター2は曲を通してリード担当という役割固定にし、2本を同時に鳴らして分解を作ります。
- 1人で両方を担当する場合(宅録・弾いてみた等): 2本のギターを持ち出せないので、セクションごとにリズム/リードのパッチを切り替えて同じ分解を1人で再現します。
- ベース: ルートを軸に8分〜16分で曲を前に押し出す役割。粒立ちを保ったまま、サビでわずかに密度を増します。
- ミドルを削らずクリーン〜軽いクランチで爽やかさを残すのが、この曲のバンドサウンドの土台になる考え方です。
① ギター:マルチエフェクター設定(GT-1000CORE / MS-3 / G6 / GE系など共通)
Guitar → コンプ(軽め) → ドライブ(TS系・薄め) → アンプモデル(クリーン〜軽クランチ)
→ ブースター(リードのみON) → ディレイ → リバーブ → Amp Out
- アンプモデル設定: GAIN 30〜35%(16分カッティングの一音一音が団子にならない上限)/ TREBLE 60%(耳に刺さらない範囲の上限)/ MIDDLE 55〜60%(削らない方針。バンド全体で薄くならない目安)/ BASS 40〜45%(ベースの帯域と喧嘩しない上限)/ LEVELはバンド全体で埋もれない音量が基準
- ドライブブロック: TS系、GAIN 20〜25%、TONE 50%、LEVEL 50%。速いカッティングでも一音一音の輪郭が潰れない上限まで下げるのが判断基準です
- ブースターブロック(リードのみ): クリーンブースト系、GAINは上げずLEVELのみ+3dB程度。アルペジオの粒を潰さず、伸びだけを強調するのが目的です
- ディレイブロック: BPM185(倍取りの場合92〜93)から算出すると、8分 = 60000÷185 ≒ 324ms、付点8分 = 60000÷185×1.5 ≒ 486ms。リズムは8分324msを薄くタップし輪郭をぼかさず、リードは付点8分486msでオブリガードに広がりを出します
- リバーブ方針: ホール系を薄めにMix 15%程度。リードのオブリガード時のみ25%前後まで上げ、爽やかな奥行きを足します
- パッチ対比表: バンドで2人ギターがいる場合は、ギター1(大森)・ギター2(若井)がそれぞれ下記のパッチを曲を通して同時に鳴らし続けます。1人で両方を担当する場合は、この2パッチをセクションごとに切り替えて使ってください
| 項目 | リズムパッチ(ギター1/大森用) | リードパッチ(ギター2/若井用) |
|---|---|---|
| GAIN | 30% | 35% |
| ブースター | OFF | ON |
| ディレイMix | 8分/10% | 付点8分/25% |
| リバーブMix | 15% | 25% |
② ギター:マーシャルのみの場合(JCM900 / JCM2000 / DSL系)
- アンプ設定: GAIN 3〜4(カッティングの輪郭が潰れない上限)/ TREBLE 6(耳に刺さらない範囲)/ MIDDLE 5〜6(削らない)/ BASS 4(ベースと帯域が被らない上限)/ PRESENCE 5(サビで耳が痛くならない上限)
- ピッキング強弱での展開: リズム(大森)は終始しっかりめのカッティングで曲を前に出し、リード(若井)は角を落とした柔らかめのピッキングでアルペジオを弾き、サビのみ強めに弾き込んで存在感を足します。1人編成の場合はセクションごとにこの強弱を切り替えて再現してください
- 足りない機能への対処: マーシャル単体はディレイ・リバーブが無いため、付点8分486msを再現できる空間系ペダルを1台足すと、リードのオブリガードの伸びが大きく変わります
③ ベース:マルチエフェクター/プロセッサー設定(GT-1000CORE / MS-3 / GT-1B系など共通)
Bass → コンプ → ドライブ/EQ(基本OFF) → アンプモデル(DI+アンプブレンド)
→ Amp/DI Out
- コンプ設定: スレッショルドは指弾きのニュアンス差を潰さない程度、レシオ3:1前後。速い8分〜16分のフレーズでもアタック(粒立ち)を潰さない上限がコンプの掛けすぎを判断する基準です
- アンプモデル設定: GAIN 35%(丸くなりすぎない上限)/ BASS 50%/ LOW-MID 45〜50%(削らない方針)/ HIGH-MID 40%(ギターと帯域が被らない上限)/ TREBLE 35%(刺さらない範囲)/ LEVELはギター2本に埋もれない音量が基準。DI:アンプの比率はDI7:アンプ3を起点に、指弾きのアタック感が残る範囲で耳で微調整します
- ドライブ/EQブロック(使う場合のみ): 基本OFFですが、サビで密度を足したい時のみ軽いドライブを薄くON。低音の輪郭を失わない上限まで下げるのが判断基準です
- 通常パッチ/サビパッチの対比表
| 項目 | 通常パッチ | サビパッチ(音圧を上げる場面) |
|---|---|---|
| コンプ量 | 軽め(粒立ち優先) | やや強め(音圧優先) |
| DI:アンプ比率 | 7:3 | 6:4 |
| ドライブ | OFF | 薄くON |
| LEVEL | 基準値 | +1〜2dB程度 |
④ ベース:アンプ(DI)のみの場合(Ampeg SVT系)
- アンプ設定: GAIN 3(音が割れない上限)/ ULTRA LO 軽め(団子にならない範囲)/ ULTRA HI OFF(硬くなりすぎない)/ BASS 5/ MIDDLE 5(削らない)/ TREBLE 3〜4(刺さらない範囲)
- 指弾き/ピック弾きでの展開: 基本は指弾きで丸く前に出し、サビのみ軽くピックに持ち替えてアタックを足す程度に留めます
- 足りない機能への対処: アンプ単体はコンプの細かい調整ができないため、速いフレーズの粒立ちを均す外部コンプペダルを1台足すと通常/サビの差が安定します
セクション別の組み立て
- イントロ: リズムギター(大森)のカッティングとベースのルートで音数を整理し、ディレイは薄めにして疾走感の入り口を作ります
- Aメロ: ボーカルを邪魔しないようリズムギターは軽めのゲインに絞り、リード(若井)はほぼ休符、ベースは粒立ちを優先します
- Bメロ: サビに向けディレイMixとベースの密度を少しずつ上げ、期待感を作ります
- サビ: リードギターがブースター+付点8分486msのディレイでオブリガードを開放的に広げ、ベースはサビパッチでコンプと音圧を上げて曲を前に押し出します
- 落ちサビ/アウトロ: 音数を減らし、リバーブとディレイの余韻だけを残して着地します
まとめ
- BPM185(倍取り92〜93表記の場合あり)のディレイ基準値は8分324ms・付点8分486msです
- 2人ギター編成なら大森=リズム/若井=リードの役割固定、1人録音ならパッチ切り替えで対応します
- ミドルを削らずクリーン〜軽クランチで爽やかさを保つのがこの曲最大の判断基準です
- 次回は同じMrs.GREEN APPLEの他曲の音作りも解説予定です
※この設定は実機検証前のドラフトです
設定値は出発点です。数値より耳での判断基準を優先して調整してください。